どうしよう！！ マンション管理組合の役員になっちゃった！(鉄部塗装工事 ケレン種類)

株式会社ツツミワークス神奈川支店の中山竜(なかやまりょう)です。

前回鉄部塗装工事の使用材料について、ご説明させて頂きました。

また、前配信者が2021年8月から2022年7月までの1年間にわたり配信を行った『大規模修繕工事準備編から実施編まで』をストーリー仕立てで充実した内容が盛り込まれていますのでまだお読み出ない読者様はぜひ、第一回目のブログ【一体なにからはじめればいいの？】から読んで頂ければと思います。

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今回は、使用材料ではなく、鉄部塗装工事の素地調整について、ご説明させて頂きます。

1. 素地調整(下地調整)について
2. ケレンとは
3. ケレンの種類
4. まとめ

素地調整(下地調整)について

大規模修繕工事の仕上げ作業である、外壁塗装工事や防水工事などを施工するにあたり、施工対象である、外壁や天井、床の下地が健全でない場合(ひび割れや欠損などがある)、下地補修を行います。それと同様に鉄部塗装工事の対象である手摺や鉄扉なども、健全でない箇所がある場合には、専用の材料を用いて補修を行います。その後、鉄部塗装の前処理として行う「ケレン」と呼ばれる作業を行います。鉄部塗装では、この「ケレン」が重要作業となります。

ケレンとは

ケレンとは、鉄部塗装工事の塗装前に鉄扉などの鉄製品に対して行う、素地調整のことです。ケレンを行うことにより、錆を落とす、また、剥がれかけている既存塗膜(死膜)を落とし、新しく塗装する塗料の密着性を高めることができます。適切にケレンを行わないと、塗膜の寿命が短くなってしまいます。ケレン不足により、錆が落としきれていなく、残った錆が再度広がってしまう、また、埃などの汚れが残っていて、塗料の密着性が悪く、新しく塗装した塗料が剥がれてしまうなどの事態が起こってしまいます。そのような事態を予防するにも適切なケレン作業を行うことが重要となってきます。

ケレンの種類

鉄部塗装工事のケレン作業は、

１種ケレン・２種ケレン・３種ケレン・４種ケレンと大きく４つの種類に分類されます。

１種ケレン・・・錆、死膜を完全に除去し、鋼材面を露出させる。

４種類のケレンの中で、最も効果が高いケレン作業なります。作業方法としては、細かい砂や金属片などを使用した研磨剤を高い圧力で、対象物に打ち付けて表面を磨きます。これを「ブラスト工法」と呼びます。大がかりな設備や作業になるため、一般的に橋梁などの大きな構造物に対してのみ行われます。研磨剤を高い圧力で打ち付けるため、粉塵が飛び散る、騒音が非常に大きいなど周辺環境に及ぼす影響が大きいです。

２種ケレン・・・錆、死膜を除去するが、完全には除去しない

発錆率30％以上で錆が酷い状態の場合に行われるケレン作業となります。作業方法としては、ディスクサンダーなどの電動工具や手工具を用いて錆や汚れを除去します。職人の手作業で全てを行う２種ケレンは、手間が掛かるため、費用が高額になります。２種ケレンも基本は、橋梁などの構造物に対して行われます。

３種ケレン・・・活膜を残し、錆と死膜を除去する

１種、２種は旧塗膜をすべて取り除くことが前提で作業を行いますが、３種ケレンでは、旧塗膜の中で、しっかりと密着している塗膜を「活膜」として残し、錆が発生している箇所や、割れや膨れている旧塗膜を除去します。作業方法としては、ワイヤーブラシなどの手工具を主体として作業を行います。

４種ケレン・・・軽く目荒らしをする清掃ケレン

活膜を残し、錆や汚れを落とし、目荒らしを行うことが主な作業となります。目荒らしとは、新しい塗料との密着性を高める為に表面に凹凸をつけることです。作業方法としては、サンドペーパーなどを使用します。

まとめ

一般的にマンションの大規模修繕工事の鉄部塗装では、３種ケレン、４種ケレンを主体として、ケレン作業を行っています。１種ケレンや２種ケレンなどのように、大がかりな設備や電動工具を用いての作業は、騒音や粉塵などの飛散が周辺環境に与える影響は大きく、とても他の住宅やマンションが隣接している環境では、できる作業ではありません。また、費用面でも膨大な費用が掛かる為、腐食した部分を交換した方が掛かる費用を抑えられる場合もあります。鉄部塗装工事の一般的な周期は、３年から５年程度となりますので、塗膜の劣化が全体に広がり、１種ケレンや２種ケレン、はたまた、交換が必要となる前に適正な周期で鉄部塗装の塗替えを行うことをお勧めします。

プロフィール
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中山竜

株式会社ツツミワークス　神奈川支店
中山　竜(なかやま　りょう)

高知県出身。七夕生まれ。
2011年入社。
施工管理12年。マンション改修一筋で努めてきました。
【去年の自分よりも成長する】をモットーに日々学ぶことを大事にしています。
皆様のお役に立てる情報を発信できるよう頑張ります！！

保有資格：１級建築施工管理技士