建築に関する雑学

石岡健太

こんにちは、あなぶき加賀城建設の石岡です。

私どもの会社は、マンションの大規模修繕工事を得意分野とし、マンション住戸部分の工事やマンション内外の点検、保守および建物診断、コンサルティング業務などといった「住まい」という皆様の大切な資産の価値向上のお手伝いをさせていただいております。
さて今回の記事は弊社が建設会社と言うこともあり、『私は建築についてはうとくて…』という方でも使ったことのある建築用語や、皆さんに『へぇ~、そーなんだー。』と思っていただけるであろう建築に関する雑学について紹介したいと思います。

では最初に小話として…弊社は『建設(会社)』であり今回のお話は『建築(用語)』などについてですが、この【建設】と【建築】の違いをご存知でしょうか。

簡単に言うと、建築物について行う「新築、増築、改築、移転」は建築、「トンネルや道路、ダムや橋(※ここには建築物も含みます)等」構造物を造ることが建設。つまり【建設】と言う大きな輪の中に【建築】が存在し、【建築】は【建設】の一部ということになります。                               それではこれよりこれより本編となりますので、軽~い気持ちで読んでいただければと思います。
(※以下の内容は諸説あるものや、私が過去に見聞きしたもののため断定的なものではありません。)

 

身近な言葉~建築用語~

まず最初は『束(つか)の間(ま)』
わずかの時間・ちょっとの間として使われます。

(例文)束の間の休憩をとる。など

語源はと言いますと、【束】とは短い柱のことを指します。例えば1階の床下にある床束(ゆかづか)の寸法を30cmとすると、1階の柱はおおよそ3m。柱に比べ束の支える間(あいだ)は短いですよね。
この束の支える部分より「わずか」や「ちょっと」という意味として使われるようになりました。
その他に、束=長さの単位や時間の単位として使われていたという説もありますが、私的には前述の内容がすっと理解できたので束の間(あいだ)説を詳しく書かせていただきました。

 

続いては『うだつが上がらない』

こちらは普段の会話でなかなか使う機会はありませんが、意味としては出世しない。生活が良くならないなどになります。
ではまず『うだつ』とは何でしょう?
うだつとは隣接した町屋同士の屋根の下の出っぱりになります。

うだつは当初、延焼防止のための防火壁として作られましたが、それが次第に意匠性を競うようになり、富裕層では立派なうだつが上げられ(設けられ)ました。
そこから出世しないと…生活が良くならないと…うだつが上げられないため、『うだつが上がらない』となりました。
ちなみにその他に有力説がいくつかありますが、個人的に私が理解しやすいものでのお話とさせていただきました。

 

上棟式の御幣(ごへい)~おかめのお面のお話~

皆さんは上棟式のおかめ御幣をご存じでしょうか。知らない人も多いと思います。
一般に御幣とは神具の一つで紙や布を切り、細長い木にはさんで垂らしたもので、わかりやすく言えば神主さんがお祓いなどの際にファサファサ振る、あの道具になります。
地方によって様々ですが、その御幣におかめのお面と扇のついたものを上棟式で祭ります。

ではまず簡単に上棟式の説明から始めたいと思います。
上棟式とは建物を新築する際に行われるイベントで棟上げを祝うことを言い、棟上げとは屋根の一番高いところに棟木を設置することを言います。
上棟式では棟上げが終わるとその建物の中に設けた祭壇(ここに御幣があります)に対し二礼二拍手一礼を行い、建物の四隅に酒、塩、水、米などをまいて建物を清め、施主様や棟梁、関係者により安全祈願を行います。
また御幣は最終的に小屋裏(最上階の天井裏)に納めるので天井材を張り、工事が終わってしまえば見ることができません。

 

そんな御幣ですが、『なぜ福笑いのようなお面が付いているのだろう?』と思い調べたところ…むかし、むかし、京都の大工の棟梁が、代えの無い柱の寸法を切り誤り困ってしまったそうです。それを知った妻のおかめが枡組の技術を応用できないかと提案し、その提案により見事竣工を迎えることができました。しかしその後、女(素人)の提案でこの大仕事を果たしたことが知れ、夫の名誉を傷つけることを恐れたおかめは上棟式を迎える前に自ら命を絶ってしましまったそうです。妻の最期を知った棟梁は、妻の冥福と工事の無事を祈り、亡き妻を模した面を御幣に付けて飾ったことが始まりと言われています。
当時私は『家内安全の神様なのかな?』と思っていたので、始まりの理由を知り衝撃を受けました。ちなみに私の知る現場ではこのおかめの面は当たり前にありましたが、つける・つけないは地域により異なるそうです。

 

 

社寺建築の装飾

皆さんも神社やお寺に行ったことがあるとお思いますが、部材の一つ一つの名前までは気にした人は少ないと思います。
私は古い建物が好きなので、現在でも出張先で近くにお城や神社やお寺があれば見学させてもらいます。これはそんな中、出会った方に教わったお話です。

皆さんはこちらの部材の名前を知っているでしょうか。

切妻や入母屋の破風板に取り付ける装飾になりますが、見たことがあると思います。
こちらの部材は『懸魚(げぎょ)』と言い、棟木や桁の小口を隠すために設けるものとなりますが、もう一つの理由として火除けのおまじないの意味も込められているそうです。
なぜかというと、魚を屋根に飾る→屋根に水をかける=火除け ということです。昔は今のように火事場に十分な水はなく、ましてや高圧で水を撒くこともできないので、火事はおまじないに頼るほど恐れられていたのです。
その話を聞いて調べたところ、社寺建築にはその他いろいろ水に関する生物の名前が見つかりました。

 

蟇股(かえるまた)

張りや桁の横架材に取り付けるもので屋根からの荷重を支える部材の一つです。

鰹木(かつおぎ)※棟に対して直角に設けられた円柱型の部材。

暴風から屋根を守る重石や補強のためとされています。

 

海老虹梁(えびこうりょう)

柱頭の高さの異なる柱同士をつなぐ際に用いる横架材です。

 

懸魚以外の部材ついては火除けのおまじないではなく、見た目がその名に大きく由来しているもののようです。

 

まとめ

「いかがでしたか、建築用語については今回紹介したもののほかにも結構多くの建築用語が使われています。」
ちなみに上の「」内にも一つ建築用語が語源の言葉が隠れているので時間のある方は探してみて下さい!
それでは個人的な趣味の話になりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

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石岡健太

あなぶき建設工業  石岡 健太 (いしおか けんた)
岡山県出身で、2015年の入社以前は港湾の土木工事や新築住宅の工事にたずさわっておりました。
現在は岡山エリアでマンションの大規模修繕工事の現場管理をしています。
以前の新築住宅や港の修繕工事と違い【住みながら】の工事となるので、工事方の安全と居住者様の安全、両者の安全を第一にこれからも努めてまいります。
保有資格:一級建築施工、土木施工管理技士

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