こんにちは、三原です。今回も分譲マンションの災害時に知っておきたい知識をご紹介します。
目次
- 火災時管制運転とは
- 火災時にエレベーターの外にいた時の避難方法
- まとめ
火災時管制運転とは
エレベーター運転中に火災が発生すると「火災時管制運転」という二次災害を防ぐ為の運転に切り替わります。これは火災報知器等からの信号や管理室等に設置している火災管制スイッチ等の切り替え操作にて、エレベーターが避難階(地上へ通じる出入口のある階をいい、一般的には建物の1階)に直行運転し、着床後自動的に戸が開くものです。
おおむね次のような動きになります。
火災発生
↓
火災感知器が火災を感知or管理室等で管制スイッチON
↓
避難階に直行し停止、ドアが開く
↓
一定時間後、ドアを閉めて運転が休止
※なお非常用エレベーターはこの限りではありません。
管制運転に切り替わると降りたいフロアのボタンを押しても全てキャンセルされ、強制的に避難階まで直行します。その後扉が開き、乗客が避難した後に休止モードとなり、間違って人が乗ってくることがないよう扉が閉まります。
なお「火災時管制運転」の機能があっても、同時に「地震時管制運転装置」が作動してしまった場合には、避難階ではなく一番近い最寄り階に停止するそうです。
火災時にエレベーターの外にいた時の避難方法
当然ですが、避難するときは階段を使用しましょう。ただ階段に辿り着くまでに煙が充満している場合もありますので、避難の際の注意事項等をご紹介します。
煙は上方向には秒速3~5メートル(人が走る速さの約2.5倍)の早さで移動するため、エレベーターは煙突のようになり煙がすぐに上昇していきます。一方横方向には秒速0.5~1メートル(人が歩く速さとほぼ同じ)の早さで移動するので、立ったまま逃げたりしていますと、煙に巻かれてしまうことになりますのでご注意ください。
煙が充満している中で避難する際には 床から高さ約30センチ程度までかがみ、ハンカチ等を口にあてながら避難してください。そして、その途中で誘導灯設備等を見つけた場合には、矢印の向きをよく確認してください。この誘導灯はしゃがみながらの避難状態を前提に設置されているので、矢印に従って避難すれば無事に避難口まで辿り着けることでしょう。
まとめ
災害はいつ発生するのか誰にも予測は出来ません。万が一災害に遭遇してしまった場合には、とにもかくにもまず慌てないということが重要です。そしていつ自分の身に降りかかってきても大丈夫なよう、日頃当たり前のように利用しているエレベーターが災害時にはご紹介したような管制運転に切り替わる、ということだけでも知っておいて頂ければと思います。
三原 章
はじめまして!三原章と申します。入社以来10年以上、管理フロントとして業務に従事しております。長年フロント業務に従事してきた経験に基づくお役立ち情報や事例などを配信していきたいと思っています。宜しくお願いいたします。
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士・マンション管理士
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