マンションのインターホンから映像が映らない、音が聞こえないといった不具合が出ると、交換の必要性を感じつつも費用や手順がわからず不安になりますよね。インターホン交換は決して小さな出費ではないため、事前に相場や流れを知っておくことが安心につながります。この記事では、管理組合役員や区分所有者、賃貸オーナーの方に向けて、マンションのインターホン交換にかかる費用相場から工事の流れ、業者選びのポイントまでわかりやすく解説します。
マンションのインターホン交換にかかる費用相場と流れをまず解説

マンション全体でインターホンを一斉交換する場合、費用相場は1戸あたり約10万円~18万円(税別)が目安とされています。この金額には、各住戸の親機だけでなく、共用部の集合玄関機や管理室設備なども含まれます。
費用の幅が生まれる主な理由は、インターホンのシステム構成や本体のグレード、配線工事の有無、マンションの戸数規模など複数の要因が絡み合うためです。オートロックと連動する集合住宅システムか、各住戸で完結するタイプかによっても、工事内容や個別交換の可否が変わってきます。
交換までの流れは、大まかに現地調査→複数業者からの相見積もり取得→契約→住民への周知や日程調整→共用部工事→各住戸内工事、という順序で進みます。管理組合が主体となる場合は、住民説明の準備期間も考慮したスケジュールを組むことが大切です。
以降の章では、交換すべきタイミングの見極め方から費用の内訳、工事の手順、コストを抑える方法、信頼できる業者の選び方まで、順を追って詳しく解説していきます。まずは自分のマンションの状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。
マンションのインターホンを交換すべきタイミングとは

インターホンは日々の暮らしを支える設備であり、故障してから慌てて交換先を探すと十分な比較検討ができないまま契約してしまうこともあります。交換時期を見誤ると、防犯機能の低下や突然のシステムダウンといったリスクにつながるため、早めの見極めが欠かせません。次の項目で、耐用年数の目安と不具合サインについて具体的に見ていきましょう。
耐用年数は15年前後が目安
一般社団法人インターホン工業会では、集合住宅用(マンション・アパート用)は15年、一般住宅用(家庭用・戸建住宅用)は10年を更新の目安として示しています。マンション用が戸建用より長めなのは、システムの構造や設置環境の違いによるものです。
国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでも、インターホン設備等の更新周期は15~20年程度が目安と示されています。また、メーカーの修理部品保有期間は生産終了後7年となっていますため、この期間を過ぎると修理不能になり、故障時にシステム全体の交換を迫られる可能性があります。長期修繕計画を立てる際は、この目安を積立金の準備時期の参考にするとよいでしょう。
映像や音声の不具合など交換のサイン
耐用年数を超えたインターホンでは、次のような不具合が出やすくなります。
- 映像が映らない、画面が真っ暗になる
- 音声が聞こえない、雑音が混じって聞き取りにくい
- オートロックの解錠ボタンを押しても反応しない
- 呼び出し音が鳴らない、または勝手に鳴ってしまう
- ボタンを押しても戻らない、操作が引っかかる
こうした症状が複数の住戸で同時期に出始めたら、部品の経年劣化が進んでいるサインといえます。一部だけの不具合であっても、システム全体が同じ時期に設置されている以上、遠からず他の住戸にも波及する可能性が高いため、早めに管理会社や専門業者へ相談することをおすすめします。
マンションのインターホンの主な種類

マンションのインターホンは、大きく分けて「集合住宅システム」と「住戸完結システム」の2種類があります。どちらのタイプかによって交換方法や個別交換の可否が変わるため、まずは自分のマンションがどちらに該当するかを確認しておきましょう。
オートロックと連動する集合住宅システム
集合住宅システムは、エントランスの集合玄関機と各住戸のインターホンが一つのネットワークでつながっている仕組みです。来訪者がエントランスで部屋番号を入力すると、対象住戸のインターホンが鳴り、解錠操作までを一連の流れで行えます。
このタイプはシステム全体が連動しているため、故障した住戸だけを個別に交換することは基本的にできません。部品が調達できなくなった場合は、全戸一斉のリニューアルが必要になります。また、マンションによっては自動火災報知設備と連携しているケースもあり、交換工事の際にはその点も含めて業者に確認しておくと安心です。
各住戸で完結する住戸完結システム
住戸完結システムは、オートロックの集合玄関機を介さず、各住戸の玄関先に子機を設置する独立型の仕組みです。エントランスにオートロックがない賃貸マンションやアパートで多く採用されています。
配線工事が不要な配線工事が不要なワイヤレス(無線)インターホンを自分で交換するなど、管理組合によっては各戸で新しいインターホンに交換できる場合があります。ただし、管理規約で交換に関するルールが定められていることもあるため、個別交換を検討する際は事前に管理組合へ確認しておきましょう。
マンションのインターホン交換費用の内訳と相場

インターホン交換の費用は、大きく分けて本体価格と工事費の2つで構成されています。ここでは、それぞれの価格帯に加えて、戸数規模別の総額目安についても具体的に見ていきましょう。
本体価格の相場
インターホン本体の価格は、搭載されている機能によって大きく変わります。一般的な相場は13,000円~140,000円と幅が広く、選択する機種と工事内容によって大きく変動するのが特徴です。
| 機能タイプ | 主な特徴 |
|---|---|
| シンプルタイプ | 通話機能のみ、価格は比較的抑えめ |
| カラーモニタータイプ | 来訪者の顔を画面で確認できる |
| ダブルカメラタイプ | 死角を減らし防犯性を高められる |
| スマホ連携タイプ | 外出先でも来訪者対応ができる |
このように、機能が増えるほど価格は上がっていく傾向があります。管理組合や賃貸オーナーは、必要な機能とコストのバランスを見ながら機種を選ぶことが大切です。
工事費の相場
工事費には、配線工事のほか現地調査や出張費などが含まれます。既存の配線をそのまま使える場合や、ワイヤレスタイプで配線工事が不要な場合は、工事費を抑えられます。
一方で、既存の配線が劣化している場合や、機種を変更して新たに配線が必要になる場合は、配線工事をすると、おおよそ1万円ほどかかるケースが多いです。マンション全体で一斉交換する場合は、共用部の配線や集合玄関機との接続確認も必要になるため、事前調査の段階で工事内容をしっかり確認しておきましょう。
戸数別の費用目安
マンション全体を一斉交換する場合の総額は、戸数✕10万円が相場の金額となります。この考え方をもとに、戸数別の目安をまとめると次のようになります。
| 戸数 | 費用目安 |
|---|---|
| 30戸 | 約300万円 |
| 50戸 | 約500万円 |
| 100戸 | 約1,000万円 |
実際には30戸のマンションであれば300万円、50戸のマンションであれば500万円という試算例も見られます。管理組合が長期修繕計画で積立金を準備する際は、この目安を参考に早めに資金計画を立てておくと安心です。
マンションのインターホン交換工事の手順と期間

費用の見通しが立ったら、次に気になるのは実際の工事がどのように進むかという点です。ここでは、見積もりから工事完了までの流れと、規模別の工期目安について解説します。
見積もりから工事完了までの流れ
一般的な工事の流れは、次のようなステップで進みます。
- 事前打ち合わせで要望を確認
- 現地調査で現状のインターホンの状態を確認
- 複数業者から相見積もりを取得し比較検討
- 機種やプラン、費用を決定し契約
- 住民へ工事日程などを案内
- 工事スケジュールを調整
- 共用部(オートロック)工事から各住戸内工事へ
この流れは①事前打ち合わせ:お客様の要望を確認②現場調査:現在のインターホンの状況を調査③ご提案:導入するインターホン機器やプランのご提案④決定:機器・プランと費用の最終確認⑤入居者様へのご案内:工事日程などを通知⑥工事スケジュール調整:工事日を決定⑦工事完了という段取りが一般的とされています。管理組合は、住民への周知を早めに行い、在宅が必要な日程の調整をしっかり進めておきましょう。
工事にかかる期間の目安
工期は戸数規模によって異なります。目安として20戸ではオートロック交換1日、各住戸のインターホン交換1日、50戸ではオートロック交換1日、各住戸のインターホン交換3日、100戸ではオートロック交換2日、各住戸のインターホン交換5日というケースが紹介されています。
共用部のオートロック機能は初日に優先して復旧させ、その後各住戸を順番に施工していくのが一般的な進め方です。工事期間中は、一時的にオートロックが使えなくなったり、インターホンでの来客応対や解錠ができなくなったりする不便が生じることがあるため、来訪者対応として携帯電話番号を案内するなどの代替手段を用意しておくと安心です。
マンションのインターホン交換費用を抑える方法

インターホン交換費用は機種や工事内容で変わるため、見積もり比較が有効な場合があります。ここでは、相見積もりの取得、発注先の見直し、製品グレードの選び方という3つの観点から具体的な方法を紹介します。
複数の業者から相見積もりを取る
インターホン交換の商流は、代理店(0~複数)⇒工事会社⇒管理会社⇒マンションの管理組合の流れとなっているケースが多く、流通階層が多ければその分コストアップしてしまいます。
管理会社を通じて工事を依頼する場合、中間マージンが発生し、同一工事内容でも割高になる傾向があります。複数の業者から直接見積もりを取り、工事内容や価格を比較することで、中間マージンの少ない業者を見極めやすくなります。金額だけでなく、機種の型番や工事範囲が明記されているかも合わせて確認しましょう。
管理会社や施工業者に直接相談する
長年同じ業者に依頼していると、競争が働かず見積もりが割高になっていることに気づきにくい場合があります。実際に管理会社任せにしてしまうと、下請け業者を使った場合に中間マージンが上乗せされることが多く、相場より割高になる傾向があります。
しがらみのない中立的な業者に相談したり、発注ルートそのものを見直したりすることで、費用を抑えられる可能性があります。管理組合の役員会などで、既存の発注先以外にも一度声をかけてみる価値はあるでしょう。
既存製品と同等グレードの製品を選ぶ
交換のタイミングでつい高機能な最新機種に目が向きがちですが、必要以上に高価格な機種を選ぶと予算を圧迫してしまいます。まずは、現在使っている製品と同等程度のグレードを基準に検討するのがおすすめです。
スマホ連携やダブルカメラなど追加機能が本当に必要かどうかを住民アンケートなどで確認したうえで機種を選ぶと、過剰スペックによる無駄な費用増加を防げます。機能とコストのバランスを見極めることが、賢い交換のポイントです。
マンションのインターホン交換業者を選ぶポイント

費用を抑える工夫と合わせて大切なのが、安さだけで選ばず信頼できる業者を見極める視点です。ここでは、施工実績とアフターサービス、見積もり内訳の確認という2つの観点から解説します。
施工実績とアフターサービスを確認する
集合住宅向けインターホンの施工実績が豊富な業者は、マンション特有の配線状況やオートロックとの連携にも慣れているため、工事中のトラブルが起こりにくい傾向があります。
また、工事後の不具合に対して、どの程度の期間、どのような内容の保証を提供しているかを確認しましょう。定期点検のメニューがある業者であれば、15年先の次の更新時期まで安心して使用し続けることができます。契約前に保証内容やアフター対応の窓口を確認しておくと、工事後も安心です。
見積もり内容の内訳を確認する
見積書には本体価格や工事費、諸経費などさまざまな項目が並び、初めて見る方には分かりにくく感じられるかもしれません。比較の際は、提案されている機種のグレードと機能、工事の内訳明細(撤去費・設置費・諸経費)を確認しましょう。
また、機種の型番が記載されていない見積もりには注意が必要です。型番の入っていない見積もりをもらった場合、別の業者にも問い合わせることがおすすめです。不明な点があれば、契約前に業者へ質問し、追加費用が後から発生しないよう確認しておくことが大切です。
まとめ

マンションのインターホンは15年前後が交換の目安であり、映像が映らない・音声が聞こえないといった不具合は交換を検討するサインです。費用相場は戸あたり約10万円~18万円で、システムの種類や本体グレード、工事内容によって金額が変わります。
費用を抑えるには複数業者からの相見積もりや発注ルートの見直し、同等グレードの製品選びが有効です。業者選びでは施工実績やアフターサービス、見積もり内訳の確認も欠かせません。まずは管理会社への相談や複数業者への見積もり依頼から、無理のない交換計画を始めてみてください。
マンションのインターホン交換についてよくある質問

ここでは、マンションのインターホン交換に関して読者から寄せられやすい質問を5つ取り上げ、簡潔にお答えします。
交換費用は誰が負担しますか?
分譲マンションで共用部分に該当する場合は、修繕積立金から負担するのが一般的です。賃貸マンションの場合は、設備の維持管理責任を持つオーナー側が費用を負担することになります。
個人で勝手に交換できますか?
マンションのインターホン交換には、管理組合の許可が必要です。オートロックと連動している集合住宅システムは個別交換ができませんが、住戸完結システムのワイヤレスタイプであれば、管理組合の許可を得たうえで個別交換できる場合があります。
修理と交換どちらがよいですか?
設置から15年前後が経過し、部品の生産が終了している場合は、修理よりも交換のほうが安心です。耐用年数内で不具合が軽微な場合は、修理で様子を見る選択肢もあります。
工事中はインターホンが使えなくなりますか?
工事期間中は一時的に、オートロックが使えなくなったり、インターホンでの来客応対や解錠ができなくなったりする不便が生じることがあります。宅配便や来訪者には、携帯電話番号を伝えるなどの対応が必要になる場合があります。
交換にかかる期間はどれくらいですか?
戸数規模によって異なりますが、50戸程度の場合は共用部のオートロック交換に1日、各住戸のインターホン交換に3日程度が目安です。初日に共用部のオートロックを復旧させ、その後各住戸を順次施工していきます。
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