株式会社ツツミワークス神奈川支店の中山竜(なかやまりょう)です。
前回シーリング工事の使用材料について、ご説明させて頂きました。
また、前配信者が2021年8月から2022年7月までの1年間にわたり配信を行った『大規模修繕工事準備編から実施編まで』をストーリー仕立てで充実した内容が盛り込まれていますのでまだお読み出ない読者様はぜひ、第一回目のブログ【一体なにからはじめればいいの?】から読んで頂ければと思います。
今回は、外壁塗装工事の使用材料について、ご説明させて頂きます。
外壁塗装工事
外壁塗装とは、建物の外壁や天井の塗替えを行い、建物全体の美観性を向上させる工事となります。また、美観性を向上させるだけでなく、外壁塗装の塗替えを行うことにより、風雨や紫外線などの外部環境から建物を守る役割を持っています。もし、定期的な外壁塗装の塗替えを行わないと、紫外線等で外壁の塗膜を劣化させ、劣化した塗膜の隙間から雨水が侵入し、建物の基礎となる躯体の劣化を招く原因となっていきます。それを未然に防ぐ為に、定期的な外壁塗装の塗替えが必要となっていきます。
また、外壁塗装の寿命は、塗料の種類によって変わってきますが、8年から10年が目安となってきます。
外壁塗装(下塗り材)の種類
下塗り材とは、下地と仕上げ塗料の密着性を高める役割のある塗料となります。
下塗り材の種類として、プライマー、シーラー、フィラーの3種類となります。
プライマーとシーラーは、下地と仕上げ塗料の密着性を高める役割があり、名称は違いますが、大きな違いはありません。使用箇所としては、天井や基礎巾木などの仕上げ塗料を塗装する前に使用されます。
フィラーは、厚塗りすることが可能で、外壁の微細なひび割れや小さな巣穴などを埋めてくれます。使用箇所としては、外壁の仕上げ塗料を塗装する前に使用されます。また、微弾性フィラーや弾性フィラーといった種類のフィラーもあり、下塗り材が伸縮して、外壁の動きに追従し、塗装後のひび割れ再発を防ぐ下塗り材もあります。
外壁塗料(仕上げ塗料)の種類
外壁塗料の上塗り材種類は大きく分けて4種類あります。
アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、シリコン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料となります。
・アクリル樹脂系塗料
光沢が有り、色を鮮やかに見せる効果の有る塗料です。価格は安価ではありますが、紫外線に弱く耐用年数が短くなっています。
・ウレタン樹脂系塗料
アクリル樹脂系塗料よりも防水性や耐候性に優れています。密着性にも優れています。また、塗料の中でも樹脂が柔らかい特徴を持っているため、伸縮性があり、塗装下地がひび割れを起こしても、塗膜の表面までひび割れしにくいのがメリットです。比較的安価ですが、耐用年数はやや短めで、耐候性はそんなに高くありません。
・シリコン樹脂系塗料
耐候性や仕上がりの良さに優れたコストパフォーマンスの高い塗料となります。マンションの大規模修繕工事の外壁塗料の材料として、幅広く使用されている仕上げ材となります。
・フッ素樹脂系塗料
耐候性、耐久性、撥水性に非常に優れる塗料となります。デメリットとしては、価格が高い。また、塗装の耐久性が低下していない場合、再塗装した材料との密着性が悪い為、塗替えを行う場合は、密着性を高める為、適した下塗り材を選定しなければなりません。
水性塗装材と溶剤形塗装材
仕上げ塗装材は水性塗装材と溶剤形塗装材と2種類の成分に分けられます。
・水性塗装材とは
塗料の主成分で水が使用されており、水で希釈して使用する材料となります。水を主成分とした材料であるため、臭気が少なく有害性も抑えられていて環境に配慮した材料となっています。大規模修繕工事などの人が住みながらの外壁塗装で、一般的に使用されている材料となります。但し、金属などの鉄部などとは相性が悪く、鉄部塗装では、溶剤系塗料が使用されます。また、水が主成分であるため、気温が低くなるにつれ硬化しにくくなり、低温化(5℃以下)では塗装することができません。硬化する前に、雨に当たると流されてしまうため、外壁塗装する際の天候にも注意する必要があります。
・溶剤形塗装材とは
シンナー(有機溶剤)を使用した塗装材料となります。シンナーを使用している為、臭気が強い材料となります。また、引火しやすい材料となるため、保管する場所にも注意が必要となります。メリットとして、水性塗装材と比べて、耐候性、耐久性が高い為、大規模修繕工事では、相性の良い鉄部の塗装材料とし
て使用されています。
また、シーリング材と同じように塗料材料にも、そのまま使用できる1液型の塗料、主剤と硬化剤の2種類を混ぜ合わせて使用する、2液型の塗料があります。
施工手順
- 養生
塗料の飛散がないよう、塗装を行わない箇所(窓、外壁のタイル、アルミ手摺など)をビニール等で養生を行います。
- 下塗り
下塗り塗料を塗装します。
- 中塗り
仕上げ塗装材の1回目を塗装します。
- 上塗り
仕上げ塗装材の2回目を塗装します。
※仕上げ塗装材を2回塗ることにより外壁全体がムラなく均一に塗装されます。
- 養生撤去
塗料の飛散防止で行ったビニール養生を取外します。
まとめ
今回は外壁塗装材について、ご説明させて頂きました。今回、ご説明させて頂いた塗料は、マンションの大規模工事で一般的な仕上げ塗装材となり、これ以外にも多くの種類の塗装材があります。塗装材の選定は、どのような目的をもって外壁塗装を行うのかが、ポイントになってきます。
費用を安く抑えたい、外壁塗装を行って耐久性を持たせたい、今より汚れにくい外壁にしたいなど目的によって選ぶ仕上げ塗装材が違ってきます。また、下塗りの塗装材も重要となってくるため、設計監理者や施工業者と協議、検討し、より良い大規模修繕工事を行って下さい。
中山竜
中山 竜(なかやま りょう)
高知県出身。七夕生まれ。
2011年入社。
施工管理12年。マンション改修一筋で努めてきました。
【去年の自分よりも成長する】をモットーに日々学ぶことを大事にしています。
皆様のお役に立てる情報を発信できるよう頑張ります!!
保有資格:1級建築施工管理技士
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