こんにちは、福田です。
消費税値上げ導入の見送りのニュースを知りましたが、政治家の景気対策は何を規準に行うのでしょうか?
自分の命をかけて(少し大袈裟ですが。笑)考えているとはとても思えないですね…。話が脱線してしまいました。
さて、本題のマンション大規模修繕工事を成功させる4つのステップ「ステップ1.準備」をご紹介します。
目次
- 大規模修繕工事を成功させる4つのステップ
- 組織を作る
- マンション劣化状況の現状を把握する
- 劣化診断を行う
- 専門相談機関について
- まとめ
大規模修繕工事を成功させる4つのステップ
一般的に、大規模修繕工事の準備に着手してから工事が完了するまで、約1年~1年半もの時間を要しますが、まず手順としては、準備、計画、実施、整理の4つの段階に分けられます。
下図に概念図を示しましたが、基本は理事会が中心となり、有識者等のパートナーからアドバイスを受けたり、理事会の諮問機関としての修繕委員会を設置して行います。
今回は、1.準備段階について詳しくご紹介しますね。
組織を作る
何事も最初が肝心なのは言うまでもありませんが、とくに基本方針を定める大切な段階ですので、大規模修繕工事を成功させるために検討をする十分な時間が必要となります。
大規模修繕工事の実施には、専門的な知識が要求されますので、理事会だけで大規模修繕工事の実施を担うのは大きな負担になります。
それで、外部の設計事務所(建築士)、工事会社、日頃お付き合いのある管理会社などがパートナーとして候補に上がります。
また、理事会とは別に修繕委員会などを立ち上げて対応することも必要です。任期としては大規模修繕工事が完了するまでの任期となります。
修繕委員会のメンバーは区分所有者の中から関心のある方、専門的知識を持っている方の参加を募ることが必要です。
そして、外部の専門家からアドバイスを受けながら行うことも有効ですね。
最終的に総会で「採決」を受けないと物事は始まらないので、区分所有者の合意を得られやすいように、論理的な計画の進行が要求されます。
マンションを劣化状況の現状を把握する
アンケートを実施したり、事例収集などをして検討を行います。
アンケートの事例としては、
・共用部の劣化に関するアンケート
・雨漏りに関するアンケート
・水質に関するアンケート などが考えられます。
このアンケートの結果を広報することが大切なことですので理事会のスタンスが問われる場面になります。
こういうアンケートの結果により理事会ではこういうことを検討しています…、など問題点を詰めていくことになります。
修繕工事をスムーズに実施するためには、どの部分が、どの程度、劣化が進んでいるのかを調査し、必要となる「修繕の内容と実施する時期を定める」ことが必要ですので、アンケートの結果はとても参考になります。
劣化診断を行う
劣化診断の依頼先として
1.(財)マンション管理センター等の公的機関等
2.マンション管理会社
3.設計事務所(大規模修繕工事に特化した建築コンサルタント会社) などの候補がお勧めです。
劣化診断の結果は修繕工事の計画を作成するのに重要な資料となります。
また同時に、理事会や修繕委員会での検討だけではなく、区分所有者の合意を得る上でも重要な資料となりますので劣化診断は、必ず行うことが必要です。
専門相談機関について
ご参考までに、マンションの事に関しての専門相談機関についてご紹介いたします。
国土交通省所管の財団法人(財)マンション管理センター
連絡先 03-3222-1517
内容:管理組合の良きパートナーとして、マンション管理についての適切な指導、相談、情報提供等のほか、総合的な調査研究、関連事業の推進を行うことを目的に設立された財団法人です。管理組合の運営、管理規約の内容、修繕計画、修繕工事、修繕積立金の運営等に関することなどを受け付けています。
分譲会社の団体(社)不動産協会
連絡先 03-3581-7530
内容:新規住宅供給及び都市整備等不動産に係る事業並びに不動産業の健全な発展を図り、国民経済と国民生活の向上に寄与することを目的としている社団法人です。管理組合の運営・基約、マンション購入、売買契約、大規模修繕工事、アフターサービス等などや、会員会社とのトラブルに関することなどを受け付けています。(新築マンションの保証書はこの協会の雛型が良く使用されます。)
管理会社の団体(社)マンション管理業協会
連絡先 03-3500-2721
内容: 会員相互の協力によって、マンションの管理システム、管理技術等に関する調査研究を行い、その管理業務の適正化のための諸方策を推進するとともに、マンションの保全に関する診断能力の研究・開発及び診断員の育成を図り、調査診断等を実施することにより、マンションにおける良好な居住環境と快適な共同生活を確保し、もって国民生活の向上と社会福祉の増進に寄与することを目的としています。
まとめ
大規模修繕工事の準備についてご紹介しました。何事も準備が肝心です!
次回は、ステップ.2の「計画」についてご紹介しますね。
(いつもお付き合いいただきありがとうございます。)
福田 純行
前職の設計事務所時代に手掛けた設計・監理物件は北海道は北見市から南は長崎の佐世保市まで。今となってはとても懐かしい。現在は主にマンションの大規模修繕工事に関するコンサルティング(大規模修繕工事の改修設計・長期修繕計画(案)の作成等)を担当。人が住むマンションのストーリーを一つずつ守るのが役目です。
目指せ、「チェンジ・ザ・ワールド」・E.クリプトン・・・・グルーブな仕事を
皆さんのために。
有資格:一級建築士
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