マンションの駐輪場が足りない!そんなときに検討すべきポイント

眞田孝彦

こんにちは、あなぶきハウジングサービスの眞田です。
今回は、設備面から見た駐輪場の不足対策をお伝えいたします。

 

駐輪場(ラック)の増設

前回は、すぐに実行できる、費用のあまりかからない「不要自転車の撤去」「駐輪シール作成(有償化)」のご案内でした。
それに比べると内容により費用は掛かってしまいますが、
「自転車を撤去しても、まだ駐輪場がいっぱいで困っている…」といった場合には、「駐輪場の増設」も検討の一つに入れていただいてもよいと思います。
増設には、「平置きにライン引きのみ行う増設」、「駐輪ラックの増設(リニューアル)」と大きく2パターンあります。

 

平置き駐輪場のライン引きによる増設

こちらはラックを取り付けるより安価に施工可能です。
業者さんに見積り依頼すると、「メーターあたり○○円+作業費(諸経費)」といったカタチで提出されると思います。

一番安価な方法は、白いテープを買ってきて業者さんに頼まずに、皆さまご自身でライン引きする方法です。
ただし、安価にできるメリットがある反面、地面の状況(アスファルト、コンクリート等)によってきれいに引くことが難しいことがデメリットです。

 

駐輪ラックの増設(リニューアル)

「駐輪ラックの増設(リニューアル)」は線引きより高額で、ラックの種類も複数ありますので理事会でのご判断事項が増えます。

ラックの種類は多いですが、ご検討の際は専門の業者さんに依頼すれば現地確認のうえ、適切なラックの提案書(見積書)をいただけます。
公共施設や新築マンション等でもスライド式ラック(上下段式含む)を導入されているところがありますが、従来からある平置き(傾斜式)ラック(高低差のあまりない上下段式)等も操作性は良いと思います。
近年は、以前より車幅が広い電動自転車やお子様を乗せるカゴ付き自転車も増えていますが、ラックの機能向上もあり、平置きラックでも十分収納可能です。当社管理物件で導入した際も好評でした。

 

 

こんなところにご注意!

ただし、駐輪場の増設(特に屋根付き)をご検討される場合、次のような点にご注意ください。

① 消防法上の避難経路の障害にならないこと

② 屋根を増設する場合、建築基準法上の建蔽率・容積率の制限にかからないこと
 ※けんぺいりつ:敷地面積に対する建築面積の割合
 ※ようせきりつ:敷地面積に対する延べ床面積の割合
 ※用途地域により率(パーセンテージ)は変動します

③ 隣地に住宅がある場合は屋根増設によって日影になってしまうかどうか確認、場合によっては隣地の許可を得ておくことが望ましいです。

上記に関しては、事前に管理会社や市区町村役場の建築課などにご相談、お問い合わせください。

また、上記のような駐輪場の増設(屋根設置含む)を実施する場合は、共用部の用途変更になるケースがありますので、総会承認(特別決議が望ましいです:区分所有者・議決権総数の4分の3以上の賛成)が必要です。

 

まとめ

マンションの敷地内には建物の他にも駐車場や様々な設備があります。
マンション建築の際は、一般的に容積率いっぱいに建てるため余分なスペースはあまりなく、単純に駐輪場を増やすことは難しいケースもあるかもしれません。
しかし近年、健康志向や車離れもあり、マンションによっては自転車台数が増加傾向にあるため、頭を悩ませている管理組合様も多いと思います。

もともと駐輪ラックが設置されているマンションで、経年劣化による交換時期と、駐輪場不足解消を検討されている場合は、ラックの改修工事(リニューアル)をすることで収容台数を増やせることもあるのでお勧めします。

管理組合様により、共用部分の最適な活用をご検討頂ければ幸いです。
駐輪場対策は他にもありますので、またの機会にご紹介します。

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眞田孝彦

あなぶきハウジングサービス 北関東支店:真田 孝彦(さなだ たかひこ)
東京都内、埼玉県内でマンション管理業務(フロント)に従事しておりました。マンション管理士・マンション維持修繕技術者の視点からも、お客様が安心・安全・快適に生活していただけるようサポートすることを心がけています。
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級
趣味:Jリーグ観戦、子どもと遊ぶこと
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