こんにちは!あなぶきハウジングサービスの松岡です。
早速ですが、お住いのマンションにおける管理費・修繕積立金がこのままで大丈夫なのか心配になったことはありませんか?
将来的に工事が実施出来るかな、、、
今の管理費・修繕積立金の金額が変わったりするのかな、、、
減額になると嬉しいな、、、
などなど、マンションに住んでいたら一度は考えたことがある方もいるのではないでしょうか?
管理組合のお金は、管理費・修繕積立金が主ですが、このような費用については見直しが必要です。
管理費・修繕積立金の金額は明確に適正・不適正があるわけではないです。
しかし、今後もずっとマンションを維持することができるかを考える必要があります。
マンションを維持していくためには、外壁や防水の工事、宅配ボックスの導入、エレベーターリニューアルなどなどいろいろな工事をしていく必要があります。
その工事の為に、今お住まいのマンションにおける管理費・修繕積立金の貯金で実施出来るのか・不足しているとしたらどれだけ足らないのかといったマンションの現状を知る必要があります。
その為には、管理組合のお金の仕組みや現状のお金の使い方について考えることとなります。
管理費の見直し
マンションにおける管理費は、どんなものに支出しているか確認しておきましょう。
標準管理規約においても管理費を充当する内容について掲げられております。
以下、抜粋してわかりやすく表してみました。
・共用設備の保守維持費及び運転費
⇒マンションの共用部に係る修繕費に対する費用です。
例えば、受水槽やエレベーター設備の部品を一部取替えたり、外壁の塗装剥がれを一部修理したりといった小修繕に支出する費用です。
・備品費、通信費その他事務費
⇒理事会・総会での資料に係るコピー代やその開催案内に係る送料などがあります。
また、マンション共用部の電気代や管理室で使用する文房具、掃除用品なども含まれます。
・共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他損害保険料
⇒マンションの共用部に係る保険料は管理費を充当する旨定められております。
・経常的な補修費
⇒「毎年実施」のようにマンション内で定期的にする工事などがあります。
例えば、マンション内の排水管は定期的に高圧洗浄をすることで配管内にまとわりついている油汚れや皮脂汚れをきれいにすることが出来ます。マンションではこのような排水管洗浄を毎年実施したり、2~3年毎に実施したりします。
・委託業務費
⇒マンション管理会社と契約している際に支払う管理委託費です。
「委託業務」である為、清掃を委託したり点検を委託したりしている場合も管理費からの支出となります。
・管理組合の運営に要する費用
⇒管理室が無いマンションでは別途管理室を借りることがあります。
その際にレンタル料がかかる場合の費用があります。
他にも、防火管理者に係る講習料や理事会として外部の講習会・相談会に行く費用なども管理組合の運営に要する費用として精算することがあります。
管理費見直しのタイミングとしては、管理費会計の収支が赤字になってきたときが多いです。
マンションの決算書を確認し、「次期繰越金」がマイナス収支になっていたときは要チェックです!
見直しといえば値上げがほとんどですが、管理費会計の収入を増やす・支出を減らすという方法もあります。
例えば、増やす方法であれば、
・自転車駐輪料を徴収する・値上げする
・広告や看板を設置して広告料を徴収する
・基地局を設置する
などを行っているマンションもあります。
但し、外部からの新たな収入(上記でいうと広告料など)は税金がかかることもあります。
取り入れる場合は税金関係や将来的な利益などをよく検討することが大切です。
また、支出を減らす方法であれば
・マンションの各種契約やサービス内容の見直し
・電力会社の変更
などを行っているマンションもあります。
各種契約では管理委託契約や防犯カメラのリース・レンタル料、エントランスやエレベーターのマットレンタル料などがあります。
支出削減に関しては契約会社の選定や話し合いも必要となってくるので理事会を中心に協議が必要です。
要注意なことは「必要な工事を削減してしまうこと」です。
本当に必要な工事を削ってしまうと気づいたときにはかなり劣化していて手遅れ、更に工事費が上がってしまった、、、といったことがあったりもします。
必要な支出を必要なタイミングで行うことがポイントです!
修繕積立金の見直し
まず、修繕積立金は何に使用するか確認しておきましょう。
こちらも標準管理規約を参考に抜粋してご紹介します。
・一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
⇒大規模修繕工事やエレベーターリニューアル工事、給排水管更新(更生)工事が挙げられます。
・不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
⇒地震や台風、大雨などの災害による被害復旧に係る費用です。
・敷地及び共用部分等の変更
⇒駐車場の空き区画を駐輪場増設の為、屋根や駐輪ラックを設置したり空きスペースに新たに倉庫を新設したり、エレベーターを増設したりといった内容が変更に当たります。
修繕積立金の見直しに関して重要となるものが「長期修繕計画」です。
長期修繕計画は、建物の部位・機器などについて、いつ頃どのような周期で経年劣化が発生し、それに対して修繕・改良などをどの時期に実施し、またそのための費用はどれくらいかかるのかを把握するための資料です。
「そのための費用」が工事費であり、「修繕積立金」にあたります。
つまり、予定している工事の為にどれくらい修繕積立金を貯めておけば大丈夫かを確認する為の根拠となる資料です。
物価の変動や消費税率の変化もあることから国交省では長期修繕計画を5年毎の見直しが推奨されております。
長期修繕計画があることでマンションの資産価値向上にも繋がり、昨今話題となっている「管理計画認定制度」でも重要視されております。
但し、長期修繕計画は作成して終わり!!、、、ではなく、
作成したものをマンションとして正式なものとしましょうといった総会の決議が必要です。
総会決議を以ってそのマンションで公式な長期修繕計画となります。
管理組合での合意
管理費や修繕積立金の金額変更は総会の決意が必要です。
多くのマンションでは見直し=値上げとなる場合が多いですが、金額の値上げは合意形成が取りづらいこともあります。
区分所有者の経済状況によっては難しく、金額の見直しを行うことによって滞納が増えることもあります。
その為、理事会で詳細まで協議を行ったり、説明会を開いてマンション全体での意見交換を行ったりして合意形成を図っておくことがポイントとなります。
その為の資料として前項での「長期修繕計画」などの資料が根拠となってきます。
時代の流れとともに人件費や物価の上昇があり、工事費なども値上がりしております。
一般的に上がった物価が下がることはほとんど無く、今後もいろいろなものの値上がりが予想されます。
その為に管理費・修繕積立金の見直しを行っていくことがマンションの維持に繋がります!!

松岡佳澄
松岡 佳澄(まつおか かすみ)
2019年入社。
マンションとは無縁の瀬戸内海にある島出身です。
そんな田舎っ子が都会で分譲マンションの管理部門にて勤務しております!
フロント担当として管理組合様の運営サポート・お手伝いが主な業務です。
皆様のお力になれるよう努めて参ります。

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