「在宅してなくてもできる消防設備点検、外部試験機の活用」

北村順平

こんにちは、テクノ防災サービスの北村です。
今回は1年に2回実施している消防設備点検の「共同住宅用自動火災報知設備」の火災感知器の点検方法
「外部試験器」についてご紹介をさせて頂きます。

消防設備点検では、住宅内に設置されてる火災感知器をお部屋にお邪魔させて頂き点検を行います。     ですが、マンションによってはお部屋に入室しないで玄関外から火災感知器を点検が出来るマンションが    あるとご存知でしたでしょうか。昨今の新型コロナウイルスの影響でお家の中の点検は遠慮したいという方も多いのではないでしょうか。

今回は入室をしないで火災感知器の点検が出来る外部試験器についてご紹介させて頂きます。

 

 

【1.共同住宅用自動火災報知設備】

まず外部試験器を使用できる                                    「共同住宅用自動火災報知設備」のご説明です。

 

【特定共同住宅等における火災時に火災の拡大を初期に抑制し、かつ、安全に避難することを支援するために、特定共同住宅等における火災の発生を感知し、及び特定共同住宅等に火災の発生を報知する設備であって、  受信機、感知器、戸外表示器等で構成され、かつ、自動試験機能又は遠隔試験機能を有することにより、   住戸の自動試験機能等対応型感知器の機能の異常が住戸の外部から容易に確認できるものをいう】

 

難しく書かせていただきましたが、                                         要約しますと、住戸、共用部分で火事が起きた時には管理室などに設置されている火災受信機(住棟受信機) で一括監視しているシステムで、住戸内に入室せず火災感知器を点検出来る設備のことです。

入室しないで点検が出来るなら、共同住宅用自動火災報知設備を設置すればいいではないか?        と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。                           ただ、この設備を導入するには総務省令第40号の一定の条件を満たす建物のみ適用される。         言わばお墨付きを認定されて建物のみ適用できる設備です。

【2.住宅内の設備】

主な住宅内の設備はこちら3つです。

①受信機 ②感知器 ③戸外表示器

それでは順番にご説明していきます。

①受信機                                               家の中に受信機はないよ。と思う方もいらっしゃるかと存じますが、                   多くの場合お部屋内のインターホンが受信機の役割を備えてます。

②感知器                                              こちらは各お部屋リビング、寝室、キッチン等の天井に取付てあります。                  また、住宅内に設置されている火災感知器のほとんどが熱のみに反応するタイプが多いです。

③戸外表示器                                            こちらは外のドアホンです。室内の火災感知器が作動した場合警報音、音声を発します。

 

【3.外部試験器点検方法ついて】

住宅内に設置されております火災感知器を外部試験器を使用し点検方法の一例をご紹介致します。      点検方法の動画も参考にご覧ください。

①中継器に試験器を接続する。                                    ※中継器というのはドアホンもしくはパイプスペース等にあります。

②点検開始ボタン                                           ・室内の感知器数、ドアホンの鳴動、試験結果が正常であれば試験終了

試験結果が正常であればお部屋には入室せず、点検終了です。                      この試験方法はご不在時でも点検が出来ます。

参考動画をご覧下さい。                                       ※音量にご注意下さい。警報音が鳴ります

 

ただし、全てのお部屋に消防設備点検で入室しなくていいのかというと、入室するお部屋もあります。

その一例がこちらです。                                        ・外部試験結果で異常等があった場合。                                 ・避難器具がベランダにある                                      ・別設備の点検 (例-ガス漏れ検知器等)

これらに該当するお部屋は入室し点検します。                              入室しないで点検が出来るのは、外部試験器対応の火災感知器だけです。

 

では、外部試験器にて点検を実施した場合「感知器の外観は見なくていいの?」                  という疑問が出てくるかと存じますが、                                これは【外観上の項目については居住者の自主点検をもって足りるものとすること】となっております。

 

では「外観上の点検は何を見ればいいの?」

【4.外観上の点検方法ついて】

前項3でご紹介しました、外部試験器にて点検を実施した場合の、                     【外観上の項目については居住者の自主点検をもって足りるものとすること】                   こちらの主な4つの項目についてご紹介いたします。

※感知器

 

① 感知器に変形はありませんか?                                    ② 感知器が損傷してませんか?                                     ③ 感知器が外れていませんか?                                     ④ 感知器に著しい錆、腐食はありませんか?

 

 

感知器は天井に取り付けてありますので、余程のことがない限り①~④の事例は起きにくいです。       マンションを点検している際に①、②、③の事例でよく耳にするのが「子供がボール・物を投げた」ケースです。これは感知器自体が誤作動を起こす可能性もありますので、ぶつけるのはやめましょう。

④の事例ですが、感知器に本体が錆びるケースは多くの場合、漏水が考えられます。            感知器の誤作動も起こすケースもありますので、外観上、錆が見える場合は要注意です。

 

【4.まとめ】

いかがでしたでしょうか。
今回は、共同住宅用自動火災報知設備の火災感知器の点検方法 外部試験器について
ご紹介させて頂きました。

こちらの設備は元々あるが、火災感知器は従来通りに入室して点検しているというのが多いです。      外部試験器の点検方法も認可を受けておりますので、ご安心ください。                             お部屋内のプライバシー、コロナウイルスの観点からもこちらの設備がある建物は、             これを機に外部試験での点検方法に変更してみてはいかがでしょうか。

今回はこれで終わりになります。                                    それではまた次回もよろしくお願いいたします。

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北村順平

テクノ防災サービス 北村 順平(きたむら じゅんぺい)
2007年あなぶきクリーンサービス入社
12年間 マンションの清掃設備維持管理の営業を担当、2019年7月からテクノ防災サービスにて、消防設備点検や特定建築物検査の営業を担当
施設管理に欠かせない法定検査になりますので、漏れの無い提案を心がけております。
初めての東京での生活で、休日には東京観光を楽しんでます。

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