自動火災報知設備のベルが鳴った時どうすればよい?~対処法と手順~

北村順平

こんにちは。テクノ防災サービスの北村でございます。

今回は「自動火災報知設備のベルが鳴った際の手順」について、ご紹介致します。
自動火災報知設備は火災発生の疑いがある場合に自動で検知してベルを鳴動させるものですが、鳴動した場合にどのような対応をすべきかを説明致します。

また、ベルの鳴動は火災発生時の安全避難を重視している面から、ある程度の条件で非火災報(火災がないにもかかわらず、ベルが鳴動する事象)が発生する場合もあります。

ここでは、自動火災報知設備のベルが鳴動した場合の対応方法を記載致します。

I. まず現場に行き火災の有無を確認する。

けたたましい音を立てている状況を目の当たりにすると、人間どうしても「すぐにベルの鳴動を止めたくなる」心理が働くものですが、そこをグッと我慢して以下の手順で火災の有無を確認します。

1. 火災受信機で発報場所を確認する。

火災受信機(建物によりますが、管理室や共用部廊下にある場合が多いようです)のランプから発報箇所を確認します。(写真の表示状態は実際の火災と異なる部分がある点、ご了承願います)

2. 警戒区域図で建物のどの位置か確認する。

火災受信機付近に備え付けてある「警戒区域図」を確認し(受信機パネルが警戒区域図になっているタイプもあります)、発報箇所がどの場所にあるのかを確認します。

3. 現場を確認する

現場に急行し、火災の有無を確認します。

 

II. 火災の場合

前項I.で火災が発生している場合、以下の活動を行います。

1. 周囲に知らせる

「火事だ!」と大声で周囲に知らせ、対応できる人を集めます。

2. 消防機関に通報する

119番に電話し消防機関への通報を行います。(周囲の方がいる場合、通報協力を依頼すると良いでしょう)

3. 初期消火活動を行う

消火器・屋内消火栓(建物の用途・延べ面積や構造などの要件により設置がない場合もあります)を用いて初期消火活動を行います。

4. その他

必要に応じ避難誘導・救護活動等を行います。

 

III. 非火災の場合

前項I.で火災が発生していなかった場合、火災受信機の復旧操作を行います。
なお、この操作をしてもすぐにベルが鳴動する場合は火災の疑いがありますので、再度確認の上で本当に火災がない状態であることをご確認ください。

1. 主音響停止ボタンを押下する

メーカーや機種・製造年代により大きく違いがありますが、概ね下記のようなボタンがありますので押下してください。(また、動画の表示状態は実際の火災と異なる部分がある点、ご了承願います)
火災受信機の音響が(本体からでるブザー音・古いタイプでは稀にベルのものもあります)止まります。


2. 地区音響停止ボタンを押下する

このようなボタンがありますので押下してください。
建物内に設置してあるベルが止まります。


3. 復旧ボタンを押下する

このようなボタンがありますので押下してください。
火災監視状態に戻ります。


4. ベルの停止を確認する。

5分程度経ってもベルが鳴動していないことを確認してください。

 

IV. 終わりに

火災報知設備は火災による避難を促すために特に重要な設備となります。
くれぐれも「先にベルを止めよう」とせず、火災の有無を確認し、冷静な対応をお願いします。

また、日頃の避難訓練の内容にベル鳴動時の対処方法などを取り入れることも一つの方法ではないでしょうか。いざという時に適切な対応がとれるよう、この機会に是非確認してみてください。(専門的な知識が必要な部分もございますので、詳しくは建物の管理会社等にご確認ください)

 

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北村順平

テクノ防災サービス 北村 順平(きたむら じゅんぺい)
2007年あなぶきクリーンサービス入社
12年間 マンションの清掃設備維持管理の営業を担当、2019年7月からテクノ防災サービスにて、消防設備点検や特定建築物検査の営業を担当
施設管理に欠かせない法定検査になりますので、漏れの無い提案を心がけております。
初めての東京での生活で、休日には東京観光を楽しんでます。

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