こんにちは！
今回は、走行時に必要となる燃料に対する税金のうち、
石油石炭税・石油ガス税について見ていきますね。
石油石炭税・石油ガス税ってなに？
石油石炭税は、原油・ガス状炭化水素・石炭に対して課税される国税です。
もともとは原油・ガス状炭化水素に対する税でしたが、2003年10月に石炭が対象に加わりました。
石炭は省エネルギーや新エネルギーへの移行を促し、他のエネルギーとの負担の公平を図るために課税が始まったようです。
納税義務者は採取者、保税地域から引取る人です。国産のものは毎月採取場からの移出数量について、翌月末までに納税申告書を提出し同日までに納付。輸入のものは特例輸入者を除き納税申告書を保税地域の税関長へ提出し、保税地域から引き取るまでに納付します。
納付された税金は、特定財源として道路の費用や石炭対策費、省エネルギー対策費、石油代替対策に使われているようです。
石油ガス税は、タクシーなどに多いLPG車の燃料となるLPガス（Liquefied Petoroleum Gas の略）に係る国税です。メタンを主成分とし、通常液化し得ない天然ガス、エチレン又はエタン等を主成分とする石油ガスは対象外になります。
石油ガスを燃料とするLPG車と揮発油を燃料とするガソリン車との負担のバランスを取るために1965年に創設されました。
石油ガスの充填者が充填場から移出した月の翌月末までに申告し、翌々月末までに納付します。
納税額の1/2は道路整備事業のために使用され、残り1/2は都道府県・指定都市へ譲与されて道路費用に使用されています。
免税とされるものはあるの？
石油石炭税は石油化学製品製造用、鉄鋼やセメント製造用、沖縄での発電用石炭・液化天然ガス、農業者や漁業者が農業・漁業に使用するA重油等が免税となります。
免税となる石炭を輸入する場合、輸入申告時に申請書と用途証明書を提出し、他の用途に使うことはできません。
石油ガス税は、工業用等の用途のため移出する場合、輸出する目的で充填場から移出する場合、駐留軍等が使用する場合は免税になるようですが、証明書など書類の提出が必要となっています。
それぞれ特定用途のものが対象となるようですが、細かい規定がありそうです。
LPガスのうち、製油所で生産されたものは原料の原油に石油石炭税が課されているので非課税です。
石油ガス税の対象となるのは、自動車用のものになりますが、自動車に取付けて充填できる機能がある石油ガス容器のうち、通常自動車には取付けない容器は承認を受けることにより、「承認容器」という扱いになり、非課税となります。
石油石炭税、石油ガス税の税率は？
石油石炭税は1リットルあたり2.8円（温暖化対策税 0.76円を含む）
石油ガス1キログラムにつき 17.5円
LPガスってどんなエネルギー？
LPガスは主成分がプロパンやブタンで、気体燃料を液化したものです。
自動車では主にブタンが主成分のものが使われていますが、その他オゾン層を破壊するフロンガスの代わりに使われたり、カセットコンロや100円ライターなどにも使われています。
天然ガスと違って常温で加圧し液化させることができます。液化させると体積が気体時の約250分の1に縮小する特徴があり、タクシーやトラック、フォークリフトなどに使われています。
なぜタクシーやトラックはLPG車が多いの？
タクシーもトラックも走行距離が長いため、ガソリンに比べて燃料費が安くできることが大きな理由の一つです。（LPガスはガソリンの約60％の価格）
資源エネルギー庁「オートガス小売価格調査」
ただ、通常の車検に加えて、燃料タンクの検査が必要になります。
経過年数20年未満のものは6年に1回、20年以上のものは2年に1回、容器検査を受ける義務があります。
容器の交換が必要になればその費用もかかってきます。
また、LPガススタンドの数がガソリンスタンドよりまだ少ないという現状があります。
LPG車の環境性能
LPG車はガソリン車と比較して、二酸化炭素の排出量や大気汚染の原因となる窒素酸化物（Nox)や硫黄酸化物（Sox)の排出量も少なく、エンジン音も静かだと言われています。2020年度燃費基準を達成したLPG車はエコカー減税（自動車重量税の減免）の対象となっています。
日本自動車工業会 環境対応車に対する軽減
LPG車が普及しないのはLPガススタンドの数が少ないこと、国が政策として電気自動車を推進していることなどが理由にあるようです。
まとめ
5回にわたって車に関係する税を見てきましたがいかがでしたか？
車1台所有するだけで、いろいろな税負担が発生する事を知って驚きました。
環境に負荷がかかる車の税負担を増やす姿勢は理解できるのですが、燃費や重量などそれぞれの面から課税する複雑な仕組みになっているので、わかりづらいですよね。
いつでも好きな時に車に乗れるのは便利ですが、節税するのであれば、どれだけ乗るつもりなのか考えて、購入以外の方法を検討したり、免許返納のタイミングを考えると良いかもと思いました。
田中 智恵
財務・経理本部 経理課
田中 智恵（たなか ちえ）
2009年入社
2年程組合の庶務業務を経た後、会社の経理業務に携わってきました。
現在は、九州エリアの経理を担当。
主に預金関係、売上・原価のチェック、立替精算書チェック、問い合わせ対応を行っています。
趣味：庭の手入れ、音楽鑑賞、読書
資格：日商簿記二級・管理業務主任者・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士ほか
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