マンション管理員の仕事ってどんなことをやるんだろう・・・~管理員の仕事内容~Part1

竹林貞治

こんにちは。
ホームライフ管理の竹林です。

 

前回はマンション管理員の守備範囲や管理員向けの研修のお話をさせていただきました。
如何でしたでしょうか。

マンション管理員に対してイメージができたのではないかなと思っています。
少しでも“マンションの管理員の仕事やってみようかな”と思っていただけているのであれば幸いです。

 

今回からは前回軽く触れたマンション管理員が行う業務を深掘りしていきますね。

 

管理員がやる業務は大きく分けると以下のとおりです。
・受付等の業務
・点検業務
・立会業務
・報告連絡業務
・日常清掃業務

 

まずは『受付等の業務』からお話しますね。

 

 

 

居住者や外来者等マンション関係者への対応は問い合わせだったり、事務手続きだったり多種多様です。
その対応時に重要なのは、マンション管理員は“事務処理だけ出来ていれば良いんだ”と思っていてはNG!!
サービス業という考え方もありますので親切丁寧な対応が求められます。
当然笑顔で接することも大事ですね。(スマイル0円ですからっ)

 

実際に“マンション管理員が挨拶をしない”ということでクレームになったこともあります。
確認してみるとご本人としては挨拶をしているつもりだったようですが実際には相手に伝わっていなかったんですね。

 

また、管理事務室の電話の応答もあったりします。

 

“表情は声に出る、笑顔で対応するように”と言われるように、硬い表情で電話応対すると声が低くなるようです。
明るく、はっきりとした声での対応をすることで見えない相手も安心して話ができます。

さらに受話器を置くまでが電話対応になります。
電話を切る時に“ガチャ”っと受話器を置いた経験はありませんか??
相手からしてみれば不快以外の何物でもないですからね。

 

上記を大前提としてどのような受付対応があるのかみてみましょう。
※マンションの規模によってその業務があったりなかったりしますのでご了承ください。

 

 

区分所有者等異動届出書や駐車場利用申込書等の受理および報告

マンションの居住者(区分所有者及び同居人、賃貸でお住まいの方など)は各々の管理組合の管理規約や使用細則に則って生活し、その内容に変更事項があれば管理組合宛に届出をします。
“転勤することになってしまったから部屋を売却するんだよね”だったり、
“○号室を借りることになりました”とか
“新規で自転車を購入したので駐輪場を借りたいんだけど”といった具合に。

 

居住者に関する名簿や駐車場等の契約書およびリストの管理は原則、管理組合(保管責任者は理事長)が行うことになっていますが、その業務をマンション管理会社へ業務委託していることがほとんどです。
手続きがあった場合はお客様への対応もしかり、会社への報告も正確な処理が必要です。
当然ながら漏れがあってはいけません。
また、個人情報を扱うこととなりますのでこちらについても十分な注意を払う必要があります。

 

自動車(バイクも含む)使用契約申込み者の対応および自動車等契約者の把握

新規駐車場契約者へは駐車場契約書手続きや車庫証明の発行(車の買い替えの場合もあり)も行います。

 

駐車場が広い敷地である場合は駐車するスペースに寄っては地番が異なる場合もありますので注意しましょう。

 

契約手続きが終了したら駐車場リストを更新します。
PCが配備されていればデータを修正。PCが無い物件であれば手書きでリストを修正しておきます。
現状の利用者を把握しておかなければ問い合わせ対応もままなりませんから。

 

各種使用申込の受理および報告

前述しました駐車場利用もそうですが、使用申し込みがあれば使用料金の徴収も発生します。
駐車場(専用庭だったり、バイクや駐輪場も可能性あり)等使用料が月極であれば、管理費や修繕積立金と同様、管理会社での登録データを基に毎月口座引き落とし(一部物件では使用料無料だったり、年間◯円として一括徴収する場合もあり)してますから、情報漏れがあって的確に処理ができていないなんてことがあったら大問題です。
“駐輪場代を引き落としできていない”とか、“駐車場を解約したのにまだ引き落とされている!!”とか。
契約されている方や管理組合に迷惑を掛けてしまうことになりますので間違いの無い慎重な処理が必須です。

 

施設使用料の徴収並びに収支報告

施設の一時利用の対応もあります。
利用都度の対応となりますので重複してお貸ししないようにとか、料金徴収する際のお釣りの間違いに注意が必要ですね。

 

よくある対応が来客用駐車場や集会所の貸し出しです。

 

マンションによってはこんな施設もあったります。

 

料金徴収に関してはまだまだ現金で取扱を行うマンションもあります。

ただ、業界的にも管理員室での現金授受は廃止する流れになってきているんですね。
そこで最近はよくTVのコマーシャルでも見かける『エアペイ』を導入しているマンションも多くなってきました。
これであればお釣りの渡し間違いもなくなりますし、なにより管理員室に現金保管する必要が無くなりますので防犯的にも有効な手段となっております。

 

利害関係人に対する管理規約等の閲覧

利害関係者からの要望で管理規約や総会議事録の閲覧希望があったときはマンション管理員が対応します。(こちらも業務委託でマンション管理会社が受けることが多いです)

ただ、閲覧希望があったからといって“はい、どうぞ”と対応してしまってはいけません。

 

ではどうするか・・・。

 

こちらは区分所有法で閲覧時期の指定ができることとなっています。
文書保管責任者は原則、理事長さんであるので許可を貰う必要があります。
常に在宅されているとは限りませんので許可を頂く時間が必要です。

しかも依頼を受けるときは必ず文書で受け付けます。
それであれば理事長さんも当事者に会っていなくでも判断しやすいですから。

 

理事長さんから許可を頂きましたら閲覧希望者へ許可された旨連絡し、日時をお知らせします。

 

因みに区分所有法では管理規約等保管場所の掲示は義務化されています。
もしマンションにお住まいの方がいらっしゃいましたら一度確認してみるのも良いかもしれませんね。

 

点検業者等に対する指示

マンションにはエレベーター設備や給排水設備、消防設備等、様々な設備が設置されています。
マンションを維持・管理していくためには日々の点検も必要ですが定期的に専門家である業者に点検をしてもらい常に安全でかつ確実に作動するようにしておかなければなりません。
設備に不具合が生じて何か起こってからでは遅いですし、なにより居住者の皆様にご迷惑をお掛けすることに直結しますから。

 

毎月、何かしらの設備点検業者が来ますのでその対応も行います。
共にマンション生活を維持するために協力していく点検業者ですので対等な立場で接することは必須です。
決して高圧的な態度をしてはなりません。
因みに当社では点検業者等を『パートナー企業』呼んで同等な立場であることを意識付けています。

 

必要があれば『パートナー企業』作業員へ指示することもあります。
勝手の分からない作業員へ情報共有してスムーズな点検が行えるようにすることも大切です。

マンションを共に維持・管理していく仲間ですから。

 

 

リフォーム会社や引っ越しでの搬入の際は養生をするよう指示することもあります。
マンションに傷を付けてしまってはいけませんからね。

 

共用部分の鍵の管理および貸出し

点検する場所によっては危険な場所(屋上や地下ピット等)もありますので関係者以外入室できないよう施錠している箇所がほとんどです。

 

そのような場所でのパートナー企業による点検の際は鍵の貸与もマンション管理員が行いますのでこちらもきちんとした対応が求められます。
“あれ、誰に貸したんだっけ??”とならないように貸出した際は鍵貸出台帳で管理します。
作業員が鍵を返却し忘れた!!ってことも起こり得ますからね。

 

 

如何でしたでしょうか。
今回は『受付等の業務』について深掘りしてみました。
多種多様な対応がありますが今までのご経験が十分に活かせればそれほど難しくはありません。
ですが、常に誰かに見られているといった意識で従事する必要があります。
最初は不慣れなのは仕方ありません。
誰でも最初は何でもできるわけではありませんから。
指摘された内容はすぐに改善するようにしていきましょう。

 

また、マンション管理員として勤務することになった場合は必ず該当マンションの管理規約や各種使用細則は読み込んでおきましょう。

居住者の皆様は管理規約等のルールに則って手続きをしにきます。
その対応するマンション管理員がその知識もなく“とりあえず受付しちゃえ”としてしまったら・・・。
実際に大きなトラブルに発展することも少なからずあります。

 

一言一句覚えてなきゃいけない!!って事はありませんが実際に勤務することになったときはこのことを思い出していただけるとトラブルを避けることができます。
ご自身でご自身の身を守るためにも。

 

次回は点検業務についてお話しますね。
乞うご期待!!

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竹林貞治

ホームライフ管理
管理本部 人事総務部 総務課
竹林 貞治(たけばやし さだはる)

10数年人事総務部で過ごし、約4年ほどマンション管理員をサポートする部署へ異動。現在は人事総務部へ出戻ってきました。
支えるだけの『縁の下の力持ち』にとどまらず、自ら動くことによってチームが活発になる『潤滑油』になることをモットーにしています。

マンション管理員をサポートする部署在籍時はマンション管理員による的確な事務手続きや担当フロントとの良好なコミュニケーション、
居住者のためにより快適な空間を提供するためにマンション管理員のスキル向上をサポートしていました。
人事総務部へ異動となりましたが引き続きマンション管理員研修にも携わることとなりましたのでこれからもよろしくお願いいたします。


ちなみに人事総務部では障がい者雇用に携わり手話を覚え、現在も聴覚障がいの社員と手話で会話していることが特技かな??
週末はボーイズリーグや少年野球の審判をして体を動かし健康も気にかけていますが一向に痩せないのは何故だろう・・・。

保有資格
・マンション管理士
・管理業務主任者
・警備員指導教育責任者
・宅地建物取引士
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