未然にトラブル防止！～使用細則を作りましょう～①

あなぶきハウジングサービスの佐藤です。
マンションの管理業務を行って7年。マンションでは数多のトラブルが発生しているのを見てきました。
トラブルが起こってからその対策を検討しようとしても、そもそもそのトラブルを解決するルールがないので対策の検討材料がなく、四苦八苦するといったことがとても多かったように思います。
今回の記事ではトラブルを未然に防ぐための規定である様々な使用細則・運用細則を実際に管理物件で制定されているものをご紹介します。

1. 使用細則とは
2. まとめ

使用細則とは

マンションのルールを定めたものとしては管理規約があります。しかし、管理規約は法律による規定などの大まかな物事に関してのルールは定まっているものの、細かな生活上のルールは規定されていません。
そこで、管理規約で定まっていない細かなルールを補足するために定めるものが使用細則や運用細則です。

⓵使用細則

最初にご紹介するのは一般的な使用細則です。
細かい使用細則はないものの、この一般的な使用細則は定まっている管理組合がほとんどではないかと思います。
この使用細則で定める規定としては例として以下のものがあげられます。
・専有部分及び専用使用部分の使用
他の居住者に迷惑をかける行為を禁止する。
・共用部分の使用
共用部分に各区分所有者が勝手に手を加えたり、自由に使用することを禁止する。
・管理組合への届出
居住者に変更があった時や引っ越しや長期不在にする時等に管理組合へ届け出る。
・ゴミの処理
ゴミについては各居住者自身で定められた方法によりゴミの処理をすること。

他、別に定めていなければ駐車場や自転車置き場、ペット飼育についての規定が記載されていることがあります。

⓶自転車置場使用細則

敷地の問題で駐車場が設けられていないマンションはあるものの自転車置き場がないマンションはそう多くないと思われます。
自転車置き場のことでトラブルになることは多々あるため、自転車置場使用細則を制定しておくことをお勧めします。
この使用細則で定める規定としては例として以下のものがあげられます。
・自転車を使用する権利者の規定
自転車置き場を利用できるのは区分所有者だけなのか、賃借人も利用できるのか。
・使用の申込み及び解約方法
自転車置き場を利用する際には契約書を結ぶのか・申込書の提出だけでよいのか。
・使用料金の決定
自転車使用料をいくらにするか。毎月払いか年払いか。日割り計算の有無。賃借人の方からの徴収方法。
・台数制限
自転車置き場が飽和状態である場合、入居者に公平に利用していただくために1戸当たりの台数制限を設ける。

⓷駐車場使用細則

概ね自転車置場使用細則と形式は同じですが、占有する敷地が大きいことや賃料が大きいことから、より厳密な規定を設ける必要があります。
この使用細則で定める規定としては例として以下のものがあげられます。
・駐車場を使用できる車両の制限
駐車できる車両の全長、全幅、高さ、重量などの制限を設ける。
・来客用駐車場
来客用駐車場の使用者は組合員等の来客に限り、訪問先・連絡先等を明示する。
・契約書の締結
駐車場を使用する場合は必ず管理組合と利用者で契約書を締結する。
・車両変更の届出
契約した車両に変更が生じた場合には、必ず届け出る。

まとめ

今回は３つの使用細則をご紹介しました。
先日私が担当しているマンションでは、バルコニーでの喫煙問題があり、一般的な使用細則の共用部分の使用の条文にバルコニーでの喫煙禁止を明記しました。今後は使用細則でもって注意ができるようになり、組合員の方にはとても満足していただけました。
自転車や駐車場の契約にはお金が絡んでくるので、トラブルがないように支払方法や清算方法はしっかりと明記しておきたいところです。
他にも細かい使用細則がありますので、次回以降もご紹介していきたいと思います。

プロフィール
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佐藤尚斗

あなぶきハウジングサービス東京南支店　佐藤　尚斗（さとう　なおと）
2012年に入社し、始めに経理業務に従事した後、現在までマンション管理（フロント）業務に従事しています。主に埼玉・東京エリアのマンションを担当してきました。マンションの会計の健全化、収支改善、修繕・資金計画の策定の提案に力を入れています。
お客様に信頼されるようにお客様起点の提案を行います。

保有資格：管理業務主任者　宅地建物取引士