こんにちは福田です。今回は、ユニークなマンションの劣化現象をご紹介します。
目次
- アルミ手摺が小便小僧に!?
- まとめ
アルミ手摺が小便小僧に!?
あるマンションに突如、小便小僧が現れたのです。
実際の様子を写真に撮ってありますのでご覧ください。
これは、わたしたちの管理するマンションで発見された、稀に見る劣化現象でした。
マンションの外廊下のコンクリート手摺壁に取り付けられたアルミ製手摺の支柱付け根に発生したのです。
付け根の周囲に錆が確認されたので、「もしかすると…。」と、思い付け根のビスを緩めたところ、勢いよく水が飛び出してきました。
これはアルミ手摺の内部に入り込んだ雨水や結露現象で発生した水分が溜まっていたために起こる現状です。
通常、内部に入った水分は、外部へ抜け出す方法が講じられていますが、このマンションの場合はそうではありませんでした。
この劣化現象は、知る人ぞ知る劣化現象で、ほとんど知られておりません。
再発防止のためには、
①支柱根元廻りのアンカー鉄筋の発錆を補修して、
②アルミ支柱に小穴を開け、
③そこに樹脂を流し込む
今後発生した結露水等が、再び溜まると小穴から自然に排出される単純な方法が一般的です。
建物にとって雨水はCO2同様、大敵なんですね。
(私が少年の頃、自宅近くの雑木林の中に秘密の小屋を作って遊んでいたのを思い出します。ちょうど梅雨の季節で、雨がザーザー降ると、つぎはぎだらけの屋根から雨水が漏ってきてそれはそれで楽しかったですね。)
がしかし、マンションはそういうわけにはいきません!
防水に気を使うところは屋上・廊下・外階段・バルコニーだけではないのです。
水がまさかアルミ手摺支柱に潜んでいたとは…。
アルミ手摺支柱といっても、下図の写真のような手摺支柱は大丈夫ですよ。
隙間から雨水等が排出できるように工夫されています。
(小便小僧タイプのアルミ手摺にすべて溜まるわけではありません。)
まとめ
皆さんのお住まいのマンションのアルミ手摺はどちらのタイプでしょうか?
仮に小便小僧タイプでも心配は御無用。大規模修繕工事時に、是非チェックして改修しましょう。
特に、バルコニー側は足場が必要な工事になるので見落としが無いようにしましょう。
福田 純行
前職の設計事務所時代に手掛けた設計・監理物件は北海道は北見市から南は長崎の佐世保市まで。今となってはとても懐かしい。現在は主にマンションの大規模修繕工事に関するコンサルティング(大規模修繕工事の改修設計・長期修繕計画(案)の作成等)を担当。人が住むマンションのストーリーを一つずつ守るのが役目です。
目指せ、「チェンジ・ザ・ワールド」・E.クリプトン・・・・グルーブな仕事を
皆さんのために。
有資格:一級建築士
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