治具を使ってモノづくり

金黒 神那

みなさんこんにちは。
株式会社ヨコイ、生産本部 製造部 製造課の金黒です。
トレーラーハウスやコンテナ、機械式立体駐車場などの製造業務などを日々しています。
製造業者として、記事を通して、モノ作りの楽しさや便利さなどを伝え、少しでも皆さんの生活のお役に立てればばいいなと思います。ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。

製造するうえで必要な道具は作るモノによってさまざまで、使い方や種類もたくさんあります。その中でも今回は、治具について紹介したいと思います。治具には固定治具や切断治具、ケガキ治具などさまざまな種類があります。目的や材料に合った治具を使用すれば、作業効率よく、品質、精度のよいモノを仕上げることができます。また、作業者の熟練度の違いに起因する作業精度のブレなどを防ぐことができ、人的ミスの削減にもつながります。そのため治具は、製造業界にとって重要な役割を担っています。

治具とは

加工や組み立ての際、部品や工具の作業位置を指示したり誘導したり、加工のガイドをする補助工具で、精度や効率に重要な役割を果たします。
加工物や加工内容に合わせてひとつひとつ作られることが多く、用途によって形や大きさなど、種類もさまざまです。

治具を使用するメリット

作業時間の短縮

例えば、決まった位置に数か所穴を開けるとき、まず、開ける位置にケガキをする必要があります。1本であればすぐにできますが、何十本もするとなればかなりの時間がかかってしまいます。しかし、「ここにケガキをいれる」と位置を指示してくれるアイテムがあれば、いちいちスケールをあてる必要もなくなり作業時間を短縮することができます。

ミスの削減

上で述べたような治具があれば、作業者が手作業でスケールなどを使い、位置決めをする必要がなくなるため、ケガキのズレなどのミスを削減することができます。また、加工ミスなどによって発生する材料のロスを削減することもできます。

難易度の低減

治具の使用方法が簡単なため、慣れていない作業者でも、治具があれば同じようにケガキや組み立てなどの作業を簡単に行うことができます。

品質の安定

熟練度の異なる作業者でも、治具を使用すれば、位置決めなどの作業をする必要がなく、治具によって指示された位置で決まるため、作業者によって精度がバラついてしまうことを抑えることができます。

 

治具を製作するときの注意点

治具を製作する際は、精度や再現性、作業性などを考慮しなければいけません。また、製作した治具で正確にケガキ、組み立て、切断など作業ができるか確認する必要があります。接地面が平らになっているか、直角になっているか、位置は合っているかなど細かい精度の調整をしながら治具を製作します。治具は繰り返し使用するため、精度だけでなくある程度の強度も必要になってきます。何度やっても同じ位置に指示位置がきているかも、重要な確認ポイントになります。

 

自作治具紹介~簡単~

これまで説明したことを軸に、簡単に作れる治具を紹介します。

コーナークランプ

 

このような治具があれば、棚などを組む時に一人でもしっかりと直角をとり、枠を組むことが簡単にできます。

ただし、治具の三角部分がしっかりと直角になっていなければ歪んでしまうので、治具を作る際は必ず直角であることを確認する必要があります。

 

ケガキ

ケガキ位置が同じ材料がたくさんあっても、このような治具があれば短時間で同じケガキをすることができます。
材料から治具がズレないように〇部分をストッパーにします。

ただし、ストッパーからの寸法、材料からの寄りの寸法などの指示位置が少しでもズレていると正確な場所にケガキをすることができなくなるので注意して治具の製作をする必要があります。

穴あけ


フェンスなどで隙間を均等にあけて固定したいとき、このような治具があれば、隙間に差し込むことで均等に隙間ができ、同時にビスを打つための穴位置も決めることができます。治具の穴径をビスの頭径より少し大きくすることで治具を差し込んだままビスで材料を固定することができます。

ただし、1番上に取り付ける材料が柱に対し垂直についていないと2枚目以降の材料も真っ直ぐつかない場合があるため注意が必要です。

また、治具を挟みビスを打つときは、治具の下あたりから材料をしっかりと上に押し、落ちてこないようにして止めていく必要があります。

 

最後に

 

いかがでしたか?私たち製造部では、日々、工数削減や安全対策などのために、治具の考案、製作をしています。治具は自分で作ることができます。自分が作りたいモノに合わせてアレンジすることもできます。作業の中で困ったことがあったときは治具を作ってみてはいかがでしょうか。治具があればご自宅でも一人でDIYや棚作りなどができるようになり、もっとモノづくりが楽しくなりますよ。
また、治具を使用することで、危険防止につながることもあります。モノが動かないようにする固定治具やモノが落ちてこないようにする落下防止治具など、さまざまな治具を作り出すことができます。ぜひ、皆さんも治具を作って活用してみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

The following two tabs change content below.

金黒 神那

株式会社ヨコイ
金黒 神那(かねくろ かんな)
高知県出身 2018年入社
入社後はエクステリア事業部に所属しテラスやカーポートの製造をしていました。
現在は生産本部に改変し製造業務に携わっています。
ブログを通して皆様のお役に立てるような情報を発信できるよう頑張ります。
よろしくお願いします。

最新記事 by 金黒 神那 (すべて見る)

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

  • facebook
  • feedly
  • rss
backtotop