長年マンションの管理に携わる中で、室内の湿気に悩んでいるという問い合わせを数多く受けてきました。
なぜマンションは湿気に関する問題が多いのか?
どうすれば改善できるのか?
マンションにおける湿気問題について述べさせていただきます。
目次
- 戸建て住宅よりもマンションの方が酷い湿気問題
- マンションでできる湿気対策
- まとめ
戸建て住宅よりもマンションの方が酷い湿気問題
知らない方も多いのですが、実は戸建て住宅よりもマンションの方が湿気に関する問題は多いです。
その理由は3つです。
①戸建て住宅よりも窓が少ない
マンションは戸建て住宅よりも窓が少ないです。戸建て住宅は四方に窓を設けることができますが、マンションの場合は隣の住戸と隣接する面に窓を設けることができません。したがって、戸建て住宅に比べどうしても湿気の溜まり易い部屋ができてしまうのです。
②気密性の高い構造
マンションはその構造上、戸建て住宅に比べ気密性が高く、湿気が室内に溜まり易いです。
③鉄筋コンクリート
戸建て住宅の多くは木造造りですが、マンションは鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリート造りです。新築当初のコンクリートには、まだ水分が残っており室内に湿気を発生させる一因となります。コンクリート内から完全に水分が抜けきるには約10年かかるとも言われています。
このようにマンションでは日頃から湿気対策を意識する必要があることをご理解いただけたかと思います。
それではマンションでできる湿気対策とな何か?
いくつか具体的にご紹介いたします。
マンションでできる湿気対策
①頻繁に換気する
高温多湿な日本では昔から湿気対策として換気が有効であると考えられていました。ゆえに日本家屋は四方に多くの窓や出入口があり、風通しの良い造りとなっています。しかし、先にも述べたとおりマンションは戸建て住宅に比べて窓や出入口が限定されるため、風通しが悪いです。
したがって、換気はこまめに行う必要があります。
在宅中は窓を開け、風通しを良くすることを意識しましょう。
その際に空気の流れ(入口と出口)を考えて窓を開けるようにしてください。窓は必ずしも全開にする必要はありません。
換気をすることは、最も簡単にできる最も基本的な湿気対策です。
②湯気(水蒸気)を室内にとどめない
キッチンやバスルームなどお湯を使用する場所では、湯気(水蒸気)が発生します。この湯気を素早く室外に排出しないと、室内の湿気として問題を引き起こします。料理中は換気扇をつけること、入浴後はバスルームの湿気が室内に入ってこないように換気扇をつけドアをしっかりと閉めましょう。
比較的新しいマンションでは、24時間換気システムが備えられています。
電気代がもったいないと感じるかもしれませんが、是非使用するようにしましょう。
③クローゼットや押し入れの換気
室内で湿気が溜まり易い場所として、クローゼットや押し入れがあります。
内部に換気口があることが少なく空気の流れがあまりないことが理由です。
衣類や荷物で一杯になっている場合は、さらに湿気が溜まり易くなります。
除湿剤を用いて換気することも大変有効ですが、扇風機を用いて内部の空気を入れ替えることも有効な方法です。その際には衣類や荷物を一時的に取り出して、しっかりと換気するようにしてください。
④室内に観葉植物を置かない
室内に観葉植物を置いているご家庭も多いかと思いますが、観葉植物は室内の湿度を上昇させます。適度な数にとどめるようにしてください。
⑤洗濯物の室内干し
雨の日などに洗濯物を室内に干すことがあると思います。
洗濯物が乾くということは、当然室内の空気中にその湿気が放出されていることを意味します。洗濯物を室内干しする場合は、換気扇のある浴室に干すことが適当です。
まとめ
湿気を放置するとカビの発生を招きます。カビは健康に悪影響を与えるので、湿気対策は必要です。
特に雨の多くなる梅雨の時期から夏にかけては、目には見えない湿気を日常的に意識することが大切になります。
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