こんにちは あなぶきクリーンサービスの神中です。
皆さん ナチュラル洗剤の記事は読んでいただけましたか?
洗剤を正しく使うことで掃除の幅が広がり、お家の中がピカピカになっていくと楽しくなってきますね。
↓ナチュラル洗剤の記事はこちら↓
プロの掃除屋が語るナチュラル洗剤【重曹・セスキ炭酸ソーダ編】
プロの掃除屋が語るナチュラル洗剤【クエン酸・過炭酸ナトリウム編】
しかし、『掃除』は洗剤の効果だけでは限界があります。
掃除は化学的な効果により汚れを分解させる【洗剤】と物理的なアクションにより汚れを除去する【道具】の2つの効果によりきれいにしています。
ナチュラル洗剤で化学的な分野を勉強した次は物理的な分野を勉強してみましょう!
今回は皆さんのお家にもよくある『スポンジ』についてです。
たかがスポンジと侮ってしまうと意外な落とし穴も…Σ(゚д゚lll)ガーン
そんな掃除道具の代表格『スポンジ』に焦点を当ててみたいと思います。
不織布付きスポンジ
よく使われる【スポンジ】といえば写真のようなものを想像すると思いますが総じて『不織布付きスポンジ』という種類のスポンジになります。
とてもオーソドックスなタイプのスポンジですので色や形は様々なものが売られていますね。
下のフワフワした部分は『ポリウレタンフォーム』という素材でできており、保水力や洗剤の泡立ち、泡持ちを担当している部分になります。
対して上のガザガザした部分は『ナイロン不織布』もしくは『ポリエステル不織布』が使われており、汚れに対して直接アクションを仕掛けることを担当する部分になります。
このポリウレタンと不織布が背中合わせになったスポンジには大きく分けて2種類あり、不織布に【研磨剤が含まれているもの】と【含まれていないもの】に分かれています。
見分け方としては写真のように梱包されている袋に書かれていますので確認してみましょう。
研磨剤の『あり・なし』によって特色が変わってきますので、使い分けが必要になり選び方を間違えるとキズが入ってしまうことがあります。
それぞれのスポンジでアルミの板を擦ってみた動画を載せていますので、その差を確認してみてください。
研磨剤なし
市販されているものですと『ソフト』や『やわらかい』等の表記がされているもののほとんどが
これに該当してきます。
このタイプのスポンジの長所としてキズが入りにくく、アルミやガラス類、プラスチック製品などの
デリケートな素材にも使用できるため素材を気にせず使用することができます。
(一部使用できない素材もありますので注意書きを確認してください。)
その反面、不織布自体の洗浄力が低いのでネバネバした汚れや硬くなった汚れには対応が難しくなります。
研磨剤あり
反対に『ハード』や『かたい』等の表記がされているものがこれに該当してきます。
このタイプのスポンジは焦げ付きやこびりついた汚れに対して物理的に除去することを目的に作られているため
とても硬く作られています。
不織布に練りこまれた研磨剤の効果で汚れを除去する力は強力なのですが…(;^_^A
あまりに強力すぎるためテフロン加工されているフライパンなどはコーティングが剥がれてしまい、素材が
金属であったとしても細かな引っ掻きキズが入ってしまうことがあります。
その為、使用する場所は高い洗浄力が必要な場所に限定されてきます。
使用方法と注意事項
新品のスポンジは使う前に一度手もみ洗いをし、不織布を少しほぐしてあげると使いやすくなります。
ほぐしてあげることで汚れに対しての引っ掛かりが多くなり、より汚れを除去しやすくすることができます。
また、ポリウレタンの部分が水を吸収しやすくなるため泡立ちや泡持ちも変わってきます。
使いかけのスポンジの方が泡立ちが良かったり汚れが落ちやすかったりするのはその為なんですね。
そして使用する際には必ず水で濡らしてから使います。
いくらソフトタイプでキズになりにくいといっても乾いたまま使うと摩擦力が大きくなり、キズが入ってしまうことがありますので濡らしてから使いましょう。
次に洗剤の付け方です。
直接スポンジに洗剤を付けても問題はありませんが、最近ではバケツなどにお湯と洗剤を混ぜてそこにスポンジを浸す方法がよくおすすめされています。
この方法のメリットとしては、洗剤の付け過ぎを防止しバケツにくぐらせることで洗剤の付け足しと補水を同時に行うことができます。(水分量は絞り加減で調整します)
またその際にスポンジをもみ洗いすることでスポンジに付いた汚れを洗う手間を無くすことができます。
デメリットとしてはどうしてもバケツが場所を取ってしまい狭い場所での作業が難しくなりますので、作業場所や作業量に応じてスポンジに直接付けるのかバケツを使うのか使い分けるようにしましょう。
一番の注意事項になりますが、
同じスポンジで種類の違う洗剤を使わないようにしましょう。
洗剤の種類によっては混ざってしまうことで危険なガスが発生することがあります。
また、洗剤同士がそれぞれの効果を打ち消してしまうこともありますので【スポンジ1つ=洗剤1種類】を守るように心掛けてください。
プロの掃除屋さんも行っていることですので皆さんも実践してみてくださいね。
最後にスポンジに付いた洗剤はそのままにしていると劣化を早めてしまいますので水でよく洗い、水気をよく切ったあと陰干しして乾いてから保管するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
スポンジに対する認識が少し変わったのではないですか?
何気なく使っている清掃道具でもその中身を紐解いてみると、まさに『適材適所』という言葉がお似合いですね。
今回は不織布付きスポンジのみの解説になってしまいましたが、世の中には多種多様な清掃道具がありますので
皆さんのライフスタイルによって使い分けをしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
神中一記
愛媛県出身。広島にて清掃管理業務を担当。
21歳で清掃の業界に入りマンション・アパート・戸建て・テナントビル・製造工場 etc...様々な建物の様々な ”汚れ” と向き合い、高所ロープ作業や樹木の剪定作業にいたるまで現場の最前線で磨いたスキルとキャリアには自信を持っております。
プライベートではわんぱく盛りの2児の父親として子育てに奮闘中。
根っからの職人気質の頑固でせっかちな若造が、『究極のハイスピード・ハイクオリティの探求』をモットーに日々精進しております。
掃除のプロとしての経験や実体験を交えながら皆様のお役に立てる情報を発信していけたらと思っております。
【保有資格】
ビルクリーニング技能士・電気工事士・消防設備士・消防設備点検資格者
高所ロープ作業技能修了・高所作業車技能修了 など
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