お仕事紹介② 経理の仕事とは?どんな業務?

遠藤佳代

 

前回は経理の仕事とはどのようなものか、経理のイメージと実際はどうか、を紹介しました。
今回は具体的にある1日の業務を見てみましょう。

 

 

1日の業務

 


【9:00~12:00】
・メールチェック、銀行
・入金及び出金確認

12:00~13:00】
・お昼休み

【13:00~18:00】
・取引先との打ち合わせ
・取引先への支払い準備

 


1. メール(・社内メッセージ)チェック、銀行

 

経理には、他部署の社員からたくさんの問い合わせがきます。内容は支払の相談や経費精算方法の確認、計上実績についての確認、予算管理の相談等多岐に渡ります

次々と問い合わせがくるので、あとで回答しようと思っていると対応が遅くなったり、回答漏れがあったりすると怖いので、できる限り問い合わせを受けたその場で完結するようにしています。

 

次に問い合わせが多いのは取引先からで、反対に個人のお客様から直接問い合わせを受けることはほとんどありません。

 

ペーパレス化が進んでいる昨今ですが、業務の中には銀行へ直接出向かなければ処理ができないものもあります。昔に比べたら件数は少なくはなりましたが、このような業務は早く完全ペーパレス化してなくしたい仕事の一つです。

 

 

2.入金及び出金確認

 

会社の銀行口座には、日々多くの入金や出金があります。これら一つ一つがなんの入金(または出金)なのかを確認して、会計システムへ入力していきます。

 

現在は、あらかじめ登録しておいたデータに入金日を入力すると、自動的に仕訳データを作成してくれる機能があり、私たちはこの業務を「入金消込」と言っています。

システムによっては「自動消込機能」がついており、金額や振込者名が一致すると自動で消込がされる機能もあります。

一見便利な機能ですが、あらかじめデータ登録が必要、間違った自動消込がされることがある、複数のデータにまたがる入金だと自動消込されない、作成された仕訳データは手直しや加工が必要…と、まだまだ自動化は難しい状況です。

 

また、不明入金があったり入金金額の相違があったりすると、確認に時間がかかることもあります。

関係各部署と連携を取りながら業務を進めます。

 

 

3.取引先との打ち合わせ

 

この日は新しく導入したシステムについて、使い心地の感想、すぐに対応すべき問題点、さらに使いやすくなるような改善点についてを打ち合わせしました。

自分の意見を伝えることはもちろんですが、システムを利用する全社員の皆さんの声を吸い上げて、様々な立場の利用者からの要望を伝える、ということが重要です。

 

また、現状だけでなく今後を見据えたシステム設定にしておくことも忘れてはいけません。

 

 

4.取引先への支払い準備

 

支払の準備では

・請求書の確認
インボイス・電帳法に対応しているか、請求書におかしな点がないか、などを確認します。

 

・決裁書等の確認
支払いに関して上長の承認は得ているのか、また、一定の条件においてはあらかじめ決裁書を申請して部長や役員、社長…と必要な承認を得ているかなどを確認します。

 

・科目の確認
同じ商品を買ったとしても原価になったり経費になったり科目が変わるので、目的や用途を確認して正しい科目で計上されているか確認します。

 

振込先、金額の確認
振込先の口座や金額があっているか確認します。

 

 

受け取った請求書をそのまま支払うのではなく、本当に払っていいものなのかをきちんと判断すること経理の役割です。

支払準備では数時間の確認で終わるものがあれば、数日かけて確認を行うものもあります。締め切りまでの進捗度合によっては残業します。

 

 

お疲れ様でした。…いかがでしたか?
経理のお仕事がイメージできたでしょうか。

 

 

経理で良いこと悲しいこと~経理業務のやりがい~

 

 

どのような仕事でもそうですが、日々業務をしていると良かったと思うこと、悲しく思うこと、それぞれあります。私が感じる経理で良かったこと、悲しいこと、を幾つか紹介します。

 

 

経理で良かったこと

 

1.会社の業績や新しいプロジェクトをいち早く把握できる

 

経理なので当然かもしれません。会社で新しいことを始めるときなど、真っ先に情報が入ってきたりもします。

自分は全く携わっていないプロジェクトでも、会社はこんなことに取り組んでいるだな、と会社全体のことを知る機会が多いです。

 

 

2.感謝の言葉をもらうとき

 

1日の業務でも紹介した通り、皆さんからの問い合わせが多いです。相談を受けたり支払の手伝いをしたりすると、みんなからありがとうと感謝の声をかけられます。

また、システムの改善によって業務効率化が進んだり、新しい取り組みが軌道に乗って平常化したりしていくと、達成感を感じます。

 

 

3.数字がぴたりとあったとき、資料が完成したとき

 

時間がかかる複雑な仕訳や資料の作成を終えて、数字がぴたりと合った時は嬉しいです。

会議資料もスムーズに揃えられ、みなさんに早く届けられるとほっとしますね。

 

 

経理で悲しくなること

 

1.謝られるとき

 

皆さんに声がけをするのは、何か処理が間違っていたり、トラブルが発生したりするときが多いです。声をかけると、「あっすみません。…何か不備ありました?」なんて先に謝られてしまうこともあります。

 

 

2.数字が合わない

 

一生懸命作業したにもかかわらず、最後に数字が合わない!なんてこともあります。そうなると一大事。どこが原因か一から確認してきます。

数字がピタッと合えばそれで業務終了ですが、数字が合わないと確認作業にさらに1時間…なんてこともあります。

 

業務をスムーズに終わらせたければ、とにかく間違えない!ことにつきます。

 

 

3.従業員の負担が増えることがある

 

意に反して、自分たちを含め他部署の方々も経理に関する業務が増えることがあります。最近では、2023年10月からのインボイス制度、2024年1月からは改正・電子帳簿保存法が開始になりました。

 

会社としては業務効率化を進めていても、税制改正などで皆さんの手間が増えるなんてこともあり、もどかしい気持ちになることがあります。

 

 

 

今後の経理業務について

 

さて、最後に今後の経理業務についてお話します。

 

2015年に海外の有名大学と企業の研究結果として、AIによって10年後になくなる仕事の一つとして「経理業務」が挙げられていました。実際はどうでしょうか?

…全然なくなりません!むしろより複雑化して、業務は大変になっています。

 

確かに一部の業務はシステムを利用することでなくなり、大幅な時間短縮になりました。
しかし、システムを利用した業務には限界があります。

システムは一度導入したら終わりではありません。常に設定変更などのメンテナンスが必要ですし、AIによって機械的に行われた作業は最終的に人の目で判断する必要があります。

 

もしAIが人間と全く同じ知能を持って業務に対応できる日が来たとしたら…
それはもう経理だけでなく全ての職種で人間が働く必要がなくなりますね。

 

現在の経理業務は、自動化できる作業はAIに任せ、私たちは

 

・機械にはできない 「判断力」
・専門家としての 「知識力」
・アドバイザーとしての「コミュニケーション能力」
・システムを有効活用していく「ITリテラシー」

 

を生かした業務がメインとなります。でも、そのためには経験が必要ですね。
いろいろな業務・経験を通じてスキルを磨いていくよう日々心掛けています。

 

以上、2回にわたり経理の業務について紹介してきました。
…皆さん、経理の仕事に興味がでてきましたか?

 

ぜひ、経理の仕事にチャレンジしてみてください。

 

 

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遠藤佳代

あなぶきハウジングサービス 
財務・経理本部 経理課
遠藤 佳代(えんどう かよ)

東京都出身 2008年入社後、2011年にあなぶきグループの一員になりました。
マンション会計課にて管理組合の会計業務に携わったのち、現在は経理課で会社の経理業務に従事しています。

皆様の身近で関心のある、お金にまつわる情報を発信していきます。

趣味:旅行(国内外問わず)・サッカー観戦(Jリーグ)
資格:日商簿記二級・管理業務主任者・マンション管理士・マンション維持修繕技術者・
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
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