みなさまこんにちは、日装・ツツミワークスの吉橋です。
前回のお話で、「戸建てとマンション」を比較しましたが、みなさまのお好みはどちらでしたか?
「戸建てと比べたらマンションって自由が効かないな~」「マンションは制約が多くて住みにくそうだな~」なんてお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
決してそんなことはありません!!
今回のテーマは、「専有部分・共用部分・専用使用部分」についてお話ししましょう!!
注:今回のお話はあくまで「マンション標準管理規約」(=マンション管理規約のひながた)に沿った「一般的な」お話になります。
お住まいのマンションの管理規約で別途定められている事項があるかもしれませんので、ご承知おきください。
そもそも専有部分と共用部分って?
マンションを購入する際、だいたいの方は1部屋購入します。
その購入した部屋の中(室内)は専有部となり、自分の持ち物となりますので、内装をリフォームしたり、壁紙を変えたり、好きなようにできます。
あくまで「室内」であり、バルコニーや専用庭は専有部には含まれません。
それに対し、共用廊下や階段、エレベーターなど、みんなで使用する場所は「共用部」といいます。
専有部(自分だけ使える場所)ではない場所は共用部(みんなで使う場所)です。
居住者みんなの持ち物なので、勝手にリフォームなどを行う事はできません。
みんなで等しく使用することが出来ますので、例えば「1階に住んでいるからエレベーターは使用できない」などの制約はありません。
自分だけが使用できる共用部「専用使用権」って??
例えばバルコニーや専用庭は共用部ですが、だからといって自分以外の居住者(お隣さんなど)が勝手に入ってきては困りますね。
このような、「利用するのはその住戸の住人だけ=お部屋の持ち主しか使えない」部分を「専用使用部分」といいます。
あくまで共用部ですので、例えば火事などの際に隔て板を割って隣戸のバルコニーへ避難することが可能ですし、大規模修繕工事などの「共用部の改修工事」の施工対象となります。
そして共用部なので、バルコニーを居室に改造するような大々的な改造は出来ません。
お部屋の中でも専有部と専用使用部分がある??
先ほど申し上げたとおり、自分の購入した部屋の中は専有部です。
ですが、一部分は専用使用部分と定められています。
■「窓ガラス」は共用部(専用使用部分)となります。
ここでよく疑問点として挙がる事項が
- 「窓ガラスを割ってしまった!共用部だから自分で修理費払わなくていいんだよね??」
- 「断熱の窓ガラスに変えたいんだけど、個人ではリフォーム出来ないの??」
等の、ガラス交換についてです。
1の破損について
…通常のとおり使用している際、自身で割ってしまった場合は、自身で修理費用を支払う必要があります。
「共用部なのに!?」と思う方もいるかと思いますが、窓ガラスは先ほどご説明した「専用使用部分」です。通常の使用に伴う破損は、専用使用権を持っている人(区分所有自身)が修理費用を支払う必要があります。
仮に「泥棒が侵入しようとして割った」や「外からボールが飛び込んできて割れた」等、通常の使用以外で割れてしまった際には管理組合が修理費用を負担することになります。
また上記どちらも、マンションの意匠性が変わらないような製品(現状同等品に復旧)にすることも大切なポイントです。
2のリフォームについて
…断熱性や防音性などの性能向上のためのリフォームは、費用自己負担で行う事ができます。
ですが、管理組合に申請をし、理事長の許可が必要となります。
共用部なので、大規模修繕工事等に合わせ、一斉に窓ガラス更新工事を行う場合があります。この場合は、管理組合の費用負担となります。
■玄関扉については外側が共用部(専用使用部分)、内側が専有部という扱いになります。
ピンク色が大好き!玄関扉をピンクに塗りたい!!という場合、外側はNGですが内側はOK、ということになります。
こちらも、ドアの交換などはマンション全体で一斉に更新工事を管理組合費用負担で行う場合があります。
専有部っぽい「専用使用部分」
日常では自分しか使用しないし、ここって専有部でしょ?と思っている場所も、意外と共用部(専用使用部分)だったりします。
■バルコニーは共用部(専用使用部分)です。
間違えやすい代表格「バルコニー」です。
こちらは前述の通りなので、あえて説明はいりませんね。
■共用廊下のポーチの中は共用部(専用使用部分)です。
廊下にアルミの門扉があって、その中の玄関扉までのスペースを「ポーチ」と呼びます。
ポーチ内は一般的に専用使用部分ですが、あくまで共用部なので、例えば門扉を好きな色に塗り替える、というような事はNGです。
■ルーフバルコニー・専用庭も専用使用部分です。
おしゃれなベランピングやガーデニングなどに活用できるスペースですが、こちらも共用部なので例えばルーフバルコニーに直接花壇を作ったり、専用庭に池を作ったりしてはいけません。
植木鉢を置いたり水槽を置いたりするのはセーフですが、管理規約の範囲内で行う必要があります。
つまり、自分好みにリフォームできるのは・・・
おうちの中だけです!!
ですが、がっかりしないでください。例え築年数の古いマンションでも、内装リフォームで理想のおうちに近づける事は可能です!
そして専用使用部分であるバルコニーでも例えば人工芝を敷設したり(避難ハッチ部分には敷かないでくださいね)、簡易的なテーブルやイスを置いてくつろいでみたりすることは可能です。
※大規模修繕工事の移動の際や、緊急時に避難の妨げにならないよう、簡単に移動ができるものを設置してくださいね※
植木鉢でたくさんお花を咲かせたり、専用庭なら子供用プールを出して遊んでみたり・・・あくまで管理規約の範囲内で、理想の暮らしに近づける事は可能です。
むしろ制約の範囲内でどれだけ楽しめるか、想像するのも楽しいですね。
管理規約を守りつつ、楽しいマンションライフをお過ごしください!!

吉橋麻樹
2015年入社以来、営業部社員のサポートや事務作業を行っています。
第一営業部を陰ながら支える、「縁の下の力持ち」的な存在を目指して日々精進しています。
保有資格は宅地建物取引士と管理業務主任者ですが、実務で使用しないため、学んだ内容はあんまり覚えていません。
みなさまに少しでも「面白い!」「役立った!!」と思っていただけるようなブログを発信出来るよう、1年間頑張りますのでよろしくお願いいたします。

最新記事 by 吉橋麻樹 (すべて見る)
- どこからどこまで?【専有部分】と【専用使用部分】 - 2025年1月28日
- 【マンション】あなたなら、どちらを買いますか!?【一戸建て】 - 2024年12月28日
- 【持ち家】あなたはどちらに住みたいですか?【賃貸】 - 2024年11月28日