こんにちは!
今回は、走行時に必要となる燃料に対する税金のうち、揮発油税・地方揮発油税・軽油引取税について見ていきますね。
揮発油税・地方揮発油税・軽油取引税ってなに?
揮発油税・地方揮発油税はガソリン税と言われていて、ガソリンにかかる国税です。地方揮発油税は国から都道府県・市区町村へ譲与される税金です。
もともとは道路整備のために創設されましたが、2009年に普通税となったため道路以外の用途にも使用されています。
納税義務者は揮発油の製造者、保税地域からの引取者です。製造業者は揮発油の移出・戻し入れがあった翌月末までに申告し、納付します。保税地域からの引取者は、関税の輸入申告と同時に申告し、引取時までに納付します。
軽油引取税は、軽油に係る地方税です。
納税義務者は「特約業者や元売業者から現実の納入を伴う軽油の引取を行う者」となっています。
軽油引取税は、特約業者または元売業者を、軽油引取税を納める特別徴収者として都道府県が指定していて、受け取った税金は毎月分翌月末までに都道府県に申告して納められています。
納められた軽油引取税は、2009年に一般財源化されて道路以外の費用にも使用されています。
免税とされるものはあるの?
ガソリン税は、石油化学製品やガスなどの製造用、発電用ボイラーやゴムの溶剤用、外交官用や米軍用が免税対象となっています。
軽油引取税は、海上保安庁や自衛隊など公用の場合、または船舶の使用者や、鉄道用車両・農業用機械の動力源となるものは手続きを受けることにより、免税となる場合があるようです。
それぞれ特定用途のものが対象となるようですが、細かい規定がありそうです。
揮発油税・軽揮発油税、軽油引取税の税率は?
揮発油税は本来1リットルあたり 24.3円、地方揮発油税は1リットルあたり4.4円です。
軽油引取税は本来1リットルあたり 15.0円 です。
ガソリン代・軽油代の内訳を見てみよう
1リットルのガソリン小売価格 180円の場合
180円= {107.2円(本体価格)+ ガソリン税 53.8円(本来は28.7円 暫定的に25.1円上乗せ)+ 石油石炭税 2.04円 + *温暖化対策税 0.76円}×消費税1.10
1リットルの軽油小売価格 160円の場合
160円=(113.5円(本体価格)+ 石油石炭税 2.04円 + *温暖化対策税 0.76円)×消費税 1.10 + 軽油引取税 32.1円(本来は 15.0円 暫定的に17.1円上乗せ)
*温暖化対策税とは石炭・石油・天然ガスなど全ての化石燃料を使用したときに排出される二酸化炭素量に対する税金です。
消費税ですが、ガソリンの場合は、本体価格・ガソリン税・石油石炭税・温暖化対策税に対して課税されます。
ガソリン税・石油石炭税の納税義務者が製造業者であることから、ガソリンの製造コストとみなされているのですね。税金に対して消費税が課されていることから、二重課税という見方もあります。
それに対して、軽油の場合は、本体価格と石油石炭税・温暖化対策税に対して課税され、軽油引取税には消費税がかからないようになっています。
ガソリンも軽油も道路整備費の財源不足を理由に暫定税率が設定されました。(ガソリン25.1円、軽油17.1円)現在は制度自体が廃止されたものの、特例税率として引き続き同額が上乗せされています。
この暫定税率は廃止の方向で検討されていますが、いつから廃止になるのか今のところ不透明です。
例に上げた計算だと、ガソリン・軽油は代金の約30~40%が税金になっています。
ガソリンのトリガー条項ってなに?
国民の生活を守るため原油価格が異常に高騰した場合、本来の税率を上回る部分を停止する法的措置です。
ガソリンの全国平均小売価格が3ヶ月間連続で160円を超えたら、減税する仕組みなのですが、東日本大震災の復旧・復興を勘案し、別に法律で定めるまでは適用を停止する、とされています。
国会でもトリガー条項の発動を求める声が上がっているようですが、どうなるのでしょうか?
ガソリン補助金(燃料油価格激変緩和対策事業)ってなに?
2022年1月に始まったガソリン小売価格急騰を抑えるために補助金を石油元売り会社に支給する政策です。
ガソリン価格は原油価格に連動して決まっていて、大手元売り業者が決めた卸価格を元に販売店が価格設定しています。資源エネルギー庁は価格調査をし、調査結果の小売価格と直近の原油価格の上昇分から予測した小売価格を元に支給額を決定しています。
12月時点で14~15円補助金支給し、175円程度に価格を抑えるようにしてきましたが、2024年12月19日と2025年1月16日に各5円減らすことが決定しました。これにより、年末からガソリン小売価格が上がっています。
今後は1リットルあたり185円を上限とし、補助金政策が延長されることになりました。
– – – 補助金がない場合のガソリン価格
ー 補助後のガソリン価格
まとめ
ガソリン代が上がると、商品やサービスの価格に含まれる運搬費が上昇しますから、実際に車に乗らない人にも影響がでてきますね。更に物価上昇しそうです。

田中 智恵
財務・経理本部 経理課
田中 智恵(たなか ちえ)
2009年入社
2年程組合の庶務業務を経た後、会社の経理業務に携わってきました。
現在は、九州エリアの経理を担当。
主に預金関係、売上・原価のチェック、立替精算書チェック、問い合わせ対応を行っています。
趣味:庭の手入れ、音楽鑑賞、読書
資格:日商簿記二級・管理業務主任者・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士ほか

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