マンション標準管理委託契約書|第三条 管理事務野内容と実施方法の4つの項目について

こんにちは、あなぶきセザールサポートの島村です。今回は、前回お伝えしました標準管理委託契約書の第三条、「管理事務の内容及び実施方法」の4つの項目について確認していきます。

１．事務管理業務
２．管理員業務
３．清掃業務
４．建物・設備管理業務
５．まとめ

1. １　事務管理業務
2. ２　管理員業務
3. ３　清掃業務
4. ４　建物・設備管理業務
5. ５　まとめ

１　事務管理業務

事務管理業務は「基幹事務」と「基幹事務以外の管理事務」のふたつに分けられます。「基幹事務」は管理業者としては主要でありかつ重要な業務ですので一括しての再委託（全部委託）は禁止されています。

基幹事務

管理組合の会計の収入及び支出の調定

予算案・決算案の素案の作成業務、収支状況の報告業務が含まれます。予算案・決算案の素案作成については提出期限が記載されていますので、きちんと期限までに提出されているか確認してみてください。

出納

管理費・修繕積立金に関わる業務です。収納、督促、通帳保管、経費の支払いなどが該当します。特に注意する点は以下の項目です。

・督促業務

契約内容どおりに履行されているか。

・通帳又は印鑑の保管

決められたとおりの保管がなされているか。

基幹事務以外の管理事務

主に「理事会・総会支援業務」が挙げられます。理事会・総会前の準備から開催、議事録案作成までスムーズに進んでいるでしょうか。

＜理事会・総会支援業務の流れ＞

開催日程の調整→招集通知→会場の手配→資料の作成→議案書の配付→議事録案の作成

なお、管理組合主導で実施が可能な場合は不要な項目を削除してもよいかもしれません。

２　管理員業務

まず、勤務時間と休日の記載がありますので、実際の勤務と合っているか確認してみましょう。実際の業務については以下の四項目に分かれています。

受付等の業務

点検業務

立会業務

報告連絡業務

それぞれの業務に細かく記載がありますが、一度、全ての業務が必要であるか確認してみましょう。不要な項目や実際に履行されていない項目については見直しが必要です。点検業務には「照明の点灯及び消灯並びに管球類等の点検」が含まれておりますが、場合によっては、電球交換のできない管理員もいますので要チェックです。また、立会業務には「外注業者の業務の着手、実施の立会」とあり、修繕工事や各種点検の立会も含まれていると考えられますが、契約どおり履行されているでしょうか。

３　清掃業務

戸数の少ないマンションでは管理員が清掃業務を兼務していることも多いでしょう。清掃業務は対象部分と仕様が細かく分かれていますので、仕様どおりに履行されているか確認し、追加・修正が必要であれば見直ししましょう。

４　建物・設備管理業務

マンションの設備ごとに、どの部分をどの位の頻度で点検及び検査をするかが記載されています。1年間の実施回数も記載されていますので、適切な回数であるか確認してみることをお勧めします。法律で定められている回数もありますが、任意で実施されている場合、過度に多ければ費用の無駄となりますし、回数を減らして費用が安価であればよいという訳でもありません。

以下、主な法定点検ですので参考にしてください。

・消防設備点検

機器点検　1回／6月

総合点検　1回／年

・昇降機定期検査　1回／年

・貯水槽清掃　1回／年

・簡易専用水道検査　1回／年

・小規模受水槽水道検査　1回／年

・特殊建築物定期検査　1回／3年

・建築設備定期検査　1回／年

・自家用電気工作物検査　1回／月

５　まとめ

「第三条管理事務の内容及び実施方法」については、契約内容どおりに履行されているかが重要となってきます。実際には管理組合で対応しており管理会社では履行していない項目、もしくは不要な項目については、委託契約から削除して管理委託料を減額する検討もできるのではないでしょうか。逆に費用をかけても追加が必要な項目もあるかもしれませんね。不要な項目を削除し、必要な項目を追加することが、快適なマンション生活を過ごしていくために非常に重要なことだと考えます。ぜひ、一度、管理組合で内容チェックをしてみましょう。