業者選定のポイント 「ヒアリング」とは?

皆様、こんにちは!
日装・ツツミワークスの吉富です。
今回は大規模修繕工事の業者選定における、重要なポイントである、「ヒアリング」について、その概要と、ポイントを解説させていただきます。
皆様がお住いのマンションの大規模修繕工事時に参考にして頂ければと思います。

大規模修繕工事における「ヒアリング」とは?

ヒアリングとは見積提出後に管理組合や修繕委員会、設計監理者が各施工業者から直接説明を受ける機会であり、書面だけでは分からない施工能力や対応力、誠実さなどを確認する場として位置づけられます。施工者の技術力・体制・提案内容を正確に把握することが大規模修繕工事を成功させるうえで大きなポイントとなります。

ヒアリングの目的

ヒアリング実施の目的は大きく分けて3つあります。

1.見積内容の妥当性の検証

同一の設計図書に基づく見積であっても、業者ごとに単価の設定や仮設計画、工法の選定が異なることが主です。そのため、金額の高低だけで判断するのではなく、なぜその価格になるのか、数量や歩掛の根拠、諸経費や管理費の考え方などを明確に説明してもらうことが重要です。ヒアリングを通じて、価格の裏付けを確認し、適正価格であるかを見極めることができます。

2.施工体制および居住者対応力の確認

大規模修繕工事は居住中の建物で行われることが主であり、工事期間中の安全確保や居住者への配慮が極めて重要であります。現場代理人の人柄、下請業者の選定方針、安全管理体制、クレーム対応の仕組みなどについて質問し、居住者とのコミュニケーション力を評価する。特に、工事説明会や掲示物などの情報共有方法について、具体的な取り組みを確認することが工事を円滑に進めていくうえで重要になります。

3.技術力・実績の確認

大規模修繕工事は建物全体に関わる複雑な工事であり、施工精度が建物を長期維持していくうえでとても大切になります。各業者が提案する工法や使用材料が、設計仕様に合致し、かつ過去の施工実績として十分な信頼性を有するかを確認することが必要不可欠であります。

ヒアリングの進め方とよくある質問

ヒアリングの進め方としては、設計監理者司会のもと、施工者は用意した資料(会社案内、過去実績表、工事体制表、仮設計画図など)をもとに、各社30分から60分程度の時間設定に基づき、施工体制、仮設計画などについて、説明を行います。その後、質疑回答の時間を設け、発注者は評価シートに基づいて採点・コメントを記入し、最終的に総合評価としてまとめます。

十数年に一度しかない大規模修繕工事、どんな質問をしたら良いか分からない方も多々いるかと思います。今回はヒアリングによく受ける質疑をご紹介します。

1.現場代理人として、過去に苦労した事例などはありますか。
→現場代理人の対応、管理能力が評価できる。

2.現場を管理する際に、心掛けていることは。
→現場代理人の人柄を評価できる

3.緊急時に現場代理人が現場に急行できない場合の体制はどうなっていますか。
→会社の現場管理体制を把握することができる。

4.アフター体制についてはどのような体制となりますか。
→竣工後のアフターメンテナンスについて、知ることができる。

5.今回の工事のポイントは何ですか。
→現場代理人がどれだけ現場を事前に見ているかを把握することができる。

業者選定のポイント

1.現場代理人の人柄

現場代理人は、工事が着工すると現場を管理する責任者となります。当然現場で発生したトラブルなども現場代理人が対応します。その中で、現場代理人の人柄は、大規模修繕工事を大きく左右します。「この人になら、安心して工事を任せられる」、「頼りになる」と思える業者を選定することが、大規模修繕工事を成功させる大きなポイントとなります。

2.仮設計画図の精査

仮設計画図とは、建物内のどこに足場を仮設し、事務所、作業員休憩所、水栓関係をどこに配置するかを明記したものになります。各業者様々な計画図があるかと思いますが、精査するうえで重要なポイントは、「安全対策がどれだけとられているか」、「居住者の生活をどれだけ考慮されているか」になります。マンションの大規模修繕工事は住人が生活しながらの工事になるため、日常生活になるべく影響が少ない仮設を選定することが重要になります。

↑仮設図の一例

 

3.広報手段の明確性

工事が始まると、様々な工事が行われ、その中では、「騒音・振動が発生する工事」、「臭気が出る工事」、「在宅が必要な工事」など、少なからず日常生活に影響が発生します。その中で、どれだけ住人に対し、広報活動を行うかは大きなポイントとなります。当社では、電子掲示板「WILK」を用いて、デジタルサイネージによる広報活動、また、スマートフォン、インターネットを用いて、在宅しながらも工事情報を確認できる体制をご用意しております。

↑電子掲示板「WILK」

まとめ

今回は大規模修繕工事業者を選定するうえで重要なポイントである、「ヒアリング」について、解説させていただきました。少しでも皆様の大規模修繕工事のお力になれれば幸いでございます。

弊社はヒアリングに臨む際、現場のことを熟知し、居住者様に最善な工事提案ができるよう、日々尽力しております。大規模修繕工事をご検討中の組合様などは、是非、日装・ツツミワークスまでご連絡いただければと思います。

最後まで、お読みいただき、ありがとうございました!

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吉富修平

日装・ツツミワークス 本社工事部 二課
吉富 修平 (ヨシドミ シュウヘイ)
神奈川県出身 入社4年目
入社以来、大規模修繕工事管理業務に従事しております。
皆様にあまりなじみではない、大規模修繕工事について、現場管理業の視点から、
皆様の暮らしのお役に立つ情報を発信して参りますので、よろしくお願いいたします!

保有資格:1級建築施工管理技士補
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