こんにちは!あなぶきセザールサポート三原です。早いもので2016年もあと2週間となりました。今週も引き続き分譲マンション機械式駐車場に関する情報をご紹介します。
※2016年6月18日に公開した記事を修正して、2016年12月17日に再度公開しています。
目次
- 1.分譲マンション機械式駐車場改修工事の実例紹介
- 2.将来像を見据えた計画作りが重要
1.分譲マンションの機械式駐車場改修工事実例紹介
埼玉県内のマンションにおいて今年2月から約1ヶ月間、機械式駐車場改修工事を実施しました。タイプは3段式、総台数90区画のものです。ここ数年は機械式駐車場について電子部品の劣化に起因する作動不良が頻繁に発生していたこともあり、管理組合修繕委員会を中心に検討を重ね、総会にて機械式駐車場改修工事が予算承認されました。
以下のとおり主要電子部品の交換工事を実施しました。
○操作盤および制御盤内電機部品交換
○リミットスイッチ交換
○落下防止装置交換
○光電センサー交換
○シーケンサーユニット交換
チェーン交換については事前にサンプル調査等をした結果、劣化は見られたものの交換を先延ばしにしても問題がないとのことで、工事範囲からは除きました。
工事の際には以下のような事項に注意しました。
工事期間中の代替駐車場確保
工事実施に際してまず問題となるのは工事期間中の代替駐車場の確保です。ブロック毎(今回は6ブロック)に工事を実施しますので、作業中は駐車車両の移動が不可欠です。工事日数が数日程度であればコインパーキングへの一時移動で対応可能と思われますが、機械式駐車場全体の改修工事に際しては、代替駐車場の確保が必要と思われます。今回の工事では事前に工事業者からの提案もあり、利用者の日中の車両利用状況(仕事で使う、買い物に行くのに使う等)について利用者全員にアンケートを実施しました。その結果6台程度の代替駐車場確保が必要な状況であることが判明したため、理事会の際に代替駐車場確保の提案をしようとしたところ、(優秀管理員として表彰されたこともある)管理員より「わざわざ費用をかけるのはもったいないですし、私の方で何とか調整します。」との頼もしい発言があり、そしてその発言通り代替駐車場を借りずに実施しました。
なお他マンションにおいても機械式駐車場の改修工事を実施しましたが、その際も代替駐車場の確保が一番の難題でした。金額に糸目をつけないのであれば専門業者もありますので検討してみてください。
雨天は工事中止になる
機械部品の交換の工事となりますので、雨天の日は工事ができません。そのうえ部品によっては製造メーカーの立会が必要となるものもありますので、単純に翌日に順延とはならない場合がありますので注意が必要です。必ず事前に確認しておきましょう。今回の工事では天候に恵まれましたが、それでも雨天が2日程度ありました。本来は工事中止となってもやむを得なかったのですが、住民の皆様の工事への協力を意気に感じたのか、工事業者の方も「テントを張ってでも工事は行います」と申し出てくれ、無事当初の工程通りに工事を完了することができました。
2.将来像を見据えた計画作りが重要
少ないスペースを有効活用できる機械式駐車場ですが、一般的に耐用年数は概ね15年といわれています。定期的にメンテナンスを行っていたとしても20年前後経過してくると不具合が発生します。また、機械式駐車場が普及し始めた時にはまだ車の販売台数も右肩上がりで駐車場需要が旺盛でした。しかし現在は車を所有しないという考え方も一般的になり、カーシェアリング等を利用するマンション居住者の方も多くなってきました。とはいえ、空き区画がなく順番待ちになっているマンションもまだまだあります。いずれにしましても将来的には機械式駐車場を撤去するか、また入替するか、判断が必要な時期は必ずやってきます。その将来像も見据え検討を重ねていくと同時に、それに応じたメンテナンス計画を立てていくことが非常に重要だと思います。
三原 章
はじめまして!三原章と申します。入社以来10年以上、管理フロントとして業務に従事しております。長年フロント業務に従事してきた経験に基づくお役立ち情報や事例などを配信していきたいと思っています。宜しくお願いいたします。
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士・マンション管理士
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