こんにちは、三原です。ここ数日は初夏を思わせる気候が続き、桜も満開で絶好のお花見日和です。飲み過ぎには注意してください。さて、今回は「監事」についての情報をご紹介します。皆さんが思っているよりも重要な役職ですよ!
※こちらの記事は2018年3月30日に公開されたものを加筆修正し、2019年9月13日に再度投稿しております。
目次
- 1.監事とは
- 2.監事の権限強化
- 3.まとめ
1.監事とは
現行のマンション標準管理規約では管理組合役員の役職として「理事長」「副理事長」「理事」「監事」があります。その第41条第1項に「監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。」と規定されています。つまり、管理組合の業務執行機関である理事会が誠実に業務を行っているかチェックする機関です。企業でいえば監査法人のような存在でしょうか。
2.監事の権限強化
平成28年3月に公表された現行のマンション標準管理規約において監事の権限が強化されました。長くなりますが、以下に引用します。
<従前の管理規約>
第41条 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。
2 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
3 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。
<改正後の管理規約>
第41条 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。
2 監事は、いつでも、理事及び第38条第1項第二号に規定する職員に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
4 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
5 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。
6 監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。
7 前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。
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いかがでしょうか。第2項において具体的な報告請求権と調査権について定め、第4項において旧標準管理規約では「理事会に出席して意見を述べることができる」というものを、監事による監査機能強化のために「必要があるときは、意見を述べなければならない」と定めたのです。さらに、第6項において理事長に対し理事会の招集を請求することができるとし、第7項で理事会の確実な開催を確保できるように定めました。
3.まとめ
監事は理事会においては議決権を持っておりませんが、独立した機関として臨時総会を招集することが出来るなど権限が強い役職です。お住まいのマンションで理事会が機能していない、また不満を感じているのであれば、監事に立候補してみるのも良いかもしれませんよ。
三原 章
はじめまして!三原章と申します。入社以来10年以上、管理フロントとして業務に従事しております。長年フロント業務に従事してきた経験に基づくお役立ち情報や事例などを配信していきたいと思っています。宜しくお願いいたします。
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士・マンション管理士
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