こんにちは。
夏本場を向えるこの時期、気になるのが電気代の高騰ではないでしょうか?
とりわけ、夏季のエアコンの消費割合は、一般住宅の電気代の60%を占めると言われており、家計の出費に大きな負担となっています。
そこで今回は、少しでもエアコンの電気代を抑えるための節約方法をお伝えします。
1.エアコンの電気代が1か月あたりいくらかを知りましょう!
皆様の家計においての電気代が1か月あたりいくらかは、電力会社からの請求書や領収書から把握することは容易だと思われます。
しかし、エアコンのみと言ったように電気製品単体での電気代はいったいいくらなのか把握が難しいと思います。そこで今回単体で電気代が把握できる、簡単な計算式をご紹介します。
昨今電気料金の値上がりが短期間に起こっており、この記事を読まれている時期により変動はありますが、計算式の中の電力料金の目安単価を31円/kWhとして紹介します。この単価は2022年7月22日に全国社団法人・家庭電気製品公正取引協議会で発表されている単価であり、最新のものはホームページで確認することができます。
手順は以下の通りです。
①まずエアコンの側面(シール等)に表示してある消費電力を確認します。〇〇Wや〇〇kWの数値が確認できると思いますが、ここで注意すべき点の一つ目は『電動機の定格消費電力』や『定格消費電力』の表示があることです。『電動機の定格消費電力』は、備え付けてあるモーターの能力を数値化したものですので、『定格消費電力』の数値を参照して下さい。
そしてその数値をkWに変換して下さい。「k=1,000」ですので、590W=0.59kWとなり、表示数値が0.4kWであればそのままの数値となります。
(例)590W ⇒ 0.59kW 0.4kW ⇒ 0.4kW(そのまま)
※【各ご家庭の数値】 『定格消費電力』:① kW
二つ目の注意すべき点もこの『定格消費電力』についてです。この数値は、日本工業規格に基づいた条件下において、製品が最大限の能力を発揮する時に消費される電力のことです。ですから、エアコンの運転を始めてしばらく経過して「安定した運転」を行っている時間帯はこの数値より低くなります。後に【3.お勧めエアコン運転方法】内でも紹介いたしますが、「安定した運転」を持続させることで、電力を抑える効果に繋がります。しかし、今回の計算上はこの数値『定格消費電力(=最大消費時)』を使用することとします。
②1か月単位でのエアコン使用時間を算出して下さい。平日:平均5時間、休日:平均12時間のように各家庭によってエアコンの使用時間に違いが生じると思われますので、以下の計算式に当てはめて下さい。
(例)1か月あたり・・・平日=22日:5時間/日 休日=9日:12時間/日
5(時間)× 22(日) + 12(時間)× 9(日) = 218時間 /(1か月)
※【各ご家庭の使用時間】平日= 日: 時間/日 休日= 日: 時間/日
(時間)× (日) + (時間)× (日) = ② 時間 /(1か月)
③ これまでの計算式により、1か月あたりのエアコンの消費電気料金を算出します。
(例)0.59kWで218時間使用した時の電気料金
0.59(kW)× 218(時間) × 31(円:目安単価) = 3987.2 円
※ ①: (kW) × ②: (時間) × 31(円:目安単価) = 円
契約電気プランや、使用電力量などにより各家庭における電気料金の算出方法が違いますので、あくまでも参考として下さい。しかし算出計算の基本の計算式は変わりませんので、どの数値を低くすればどのくらいの節電につながるかのヒントにはなると思います。
2.エアコン作動前のお部屋環境の改善
お部屋の空気環境を改善してからのエアコンの作動開始は、エアコンの初期電力の節減に効果が大きいです。
お部屋の中への熱の流入は窓などの開口部が圧倒的に多く、流量全体の70%以上を占めると言われています
その為、留守中のお部屋に関しては遮光カーテンやブライドなどを閉め切ることで、熱の流入を防ぐことが可能です。
また、お部屋の中よりも外部で遮断した方がより効果的と言われていますので、外出時雨戸を閉めたり、日差しを遮る朝顔やシダ類で開口部を覆うことも効果的であると言われています。
さらに、外出先からお部屋へ戻られてエアコンを作動させる前に窓を開けての換気を行って、溜まっている熱気を逃がして下さい。熱気が溜まった状態でのエアコンの作動は、その熱気を冷やすことから運転を始めますので、かなりの電力が消費されることになります。
ある程度の換気を行うことにより、エアコンの初期電力負担を軽減させてみてください。
3.お勧めエアコン運転方法
真夏日の強烈な暑さに比べ、比較的暑さが我慢できると感じる日においては、「送風運転」をお勧めします。
エアコンの消費電力は温度調整時に多くの電力を消費すると言われています。それと比較して風量の調整においては消費電力量はわずかと言われていますので、「送風運転」による体感温度を低下させる方法を、まずはお試し下さい。
環境省よりエアコンの設定温度を 夏季は26~28℃・冬季は20~22℃と、外気温との差をできるだけ抑えた温度設定が推奨されています。
エアコンの消費電力は、1℃気温を調整すると10~13%の電力量が変化すると言われていますので、室内の設定温度をこの推奨温度に近づけることをお勧めします。
日によっては夏季の推奨温度では高く感じられたり、冬季は低く感じるかもしれませんが、各家庭でこの範囲内で設定温度を決めて、消費電力をできるだけ抑えて下さい。
また運転方法ですが、エアコン作動開始時は「強風」か「自動運転」がお勧めです。風量の調整においては消費電力が低いので、「強風」により部屋全体の温度を短時間に調整する方が消費電力を抑えつつ効果が高いのです。
しばらくしてお部屋が冷えてきた(温まってきた)後は、「自動運転」による運転で、「安定した運転」を持続させて下さい。
「風量弱運転」やスイッチを頻繁に「入」・「切」するのはかえって温度調整による電力の消費に繋がってしまいます。24時間の連続運転もお勧めできません。ただし、1時間(以内)程度部屋を空ける場合は、エアコンの運転を持続させておいた方が、トータルで消費電力を抑えることができると言われています。
4.お部屋の温度分布のムラを無くす工夫
エアコンを作動させた時冷気は床付近に、暖気は天井付近に溜まりやすくなります。
室内でこの様に温度のムラがあると運転効率が悪くなり、余分な電力の消費にもなるため、室内の温度分布をできるだけ均一にすることに配慮しなければなりません。そのためには、送風口の向きを冬場の暖房時は下向きに、冷房時は上向きか水平に保って空気の対流により、温度のムラをできる限り無くして下さい。夏季の冷房時は水平に噴き出された冷気が、窓や壁にあたって下向きに流れ、その後床からまた天井へと循環するようになり、部屋全体が均一な温度に移行して行くはずです。
さらに、扇風機やサーキュレーターを使って、空気を攪拌することも効果的です。このサーキュレーターはエアコン程消費電力が大きくありませんが、とっても優秀な補助アイテムです。
電気料金に関しては、一般的な16畳用・34W(=0.034kW)を仮に1か月で218時間使用した場合を計算すると、
0.034(kW)× 218(時間) × 31(円:目安単価) = 229.7 円/(1か月) と、なります。
エアコンの約4,000円の電気料金に比べてはるかに低いコストで、エアコンの運動効率を補助する働きがあるため、トータルで見ると消費電力を抑える大きな効果になります。
また、サーキュレーターの設置向きですが、冷房時はエアコンの風向に合わせて、風の流れを補助するように設置して下さい。暖房時は逆に吹き出し口に向かって設置し、天井付近の空気を部屋に循環させるイメージで設置して見て下さい。
5.日頃からエアコンのお手入れを
日頃から心掛けたいのが、定期的なメンテナンスです。
簡単にできる方法は「フィルター」のお掃除です。「フィルター」がホコリで目詰まりすると、室内の空気を吸い込む量が減り、空気を冷やす能力も低下します。そのため、5~10%の電力が余分に消費されることもあるそうです。
取り扱い説明書に記載の推奨頻度で水洗いを行ったり、掃除機でホコリを吸い取ったりしてください。落ちにくい汚れの場合は、ぬるま湯と中性洗剤を使用してのお掃除を試して見て下さい。
また、内部の熱交換機が汚れていたりカビが付着している場合は、定期的にプロのクリーニング業者に頼んでみるのもお勧めです。
6.室外機にも設置環境の配慮を!
意外と目が行き届かないのが、室外機の設置状況です。室外機は室内から奪った熱を、屋外へ放出する役割を果たしていますので、この放出作業を妨げない環境が重要です。
室外機の吹き出し口は植物や物で塞がれていませんか? 表面も汚れていませんか?
汚れていたら水で洗い流して、室外機の運動負荷を抑えるようにしてあげて下さい。直射日光が当たる環境であれば、日よけなどによる改善や、周りに適度な空きスペースを確保した環境で、効率の良い室外機の運動に配慮をして見て下さい。
その他のポイントとして、エアコンのドレンホースからは水が定量流れ続けているでしょうか?
ホースの中に虫が入り込んだり、ごみが詰まっていると、エアコンの室内機から水が逆流して室内へ流れ出ることもあります。冷房効率も下がり、無駄な電力が消費されますので、ドレンホースからの水が定量流れ続けるように、日頃水の排出先と勾配もチェックするように心掛けて下さい。
7.おまけの工夫
エアコンはリモコンのスイッチ1つで、直に「入」・「切」が操作できる仕組みとなっていますが、これは言い換えれば、いつでも運転のスタンバイ状態が保たれていると言うこになります。
そのため、コンセントのプラグを差している以上少なからず電力を消費していることになりますので、シーズンオフの期間はプラグからコンセントを外すか、ブレーカーを「切」にしておきましょう。そして1年を通して、無駄な電力の消費を回避するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
いろいろな節電方法があると思いますので、皆様の家庭に合った方法を試して見て下さい。私個人のお勧め案は、通常のエアコン設定温度を夏季は28℃に近い温度で、各ご家庭で話し合いにより決めることです。
家族みんなで決めた設定温度であれば、みんなが守ろうとするはずです。合わせてサーキュレーターを同時に利用するなどの、いくつかの節電術を共有して実践することです。大切なのは、節電対策を家族全員で意識して実践することだと思います。
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