管理会社変更時に起こりうる問題点② ~引継時の重要書類等編~

こんにちは。あなぶきハウジングサービスの三河です。

「積小為大」という言葉はご存知でしょうか。
意味は、小さな事の積み重ねでもコツコツと行う事でやがて大きな事を為す、と言われております。
この言葉は、昔、二宮尊徳が積み重ねることの重要性について、さまざまな言葉で何度も説いていました。
私は、この言葉に感銘を受け、日常生活において常に意識し、最近は腹筋を6つに割ることを目標に、毎日腹筋ローラーを使用し、プロテインを飲んでトレーニングを行っております。まだ1ヶ月程度なので1年間くらいは継続してみようと思っております。
皆さんも何か目標を見つけて「積小為大」してみませんか。

さて、今回の問題点は、引継ぎ時の重要書類等が紛失・保管されていなかった場合についてご紹介いたします。

管理会社に管理を委託している場合、重要書類等は管理会社が保管していることが多いと思います。管理会社変更の時、その重要書類等は旧管理会社より管理組合に返却し、再度、新管理会社へ預けることとなります。
臨時総会で管理会社が変更することが決議されてから管理開始までにこれらすべてをチェックし、引継ぎ作業を行っております。
旧管理会社にとってはきちんと管理できているか管理できていないかが分かってしまいますので、会社の管理体制が問われる内容となっております。

 

重要書類等とは何か

重要書類等とは何かご存知でしょうか。
答えは、組合運営に関わる書類・モノすべてです。
旧管理会社には引継ぎ確認書の作成を依頼しております。
この書類は、管理組合と旧管理会社の双方で重要書類をチェックして取り交わす書類です。
それでは管理組合の重要書類とは何があるのか、確認していきましょう。

◆議事録

議事録は、区分所有法第33条(規約の保管および閲覧)第42条(議事録)で以下のように定められております。※規約の箇所は議事録に準用しております。
集会(総会)の議事については、議事録を作成しなければならず、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び集会(総会)に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならない。また、議事録は管理者が保管しなければならず、利害関係人からの請求があったときは、正当な理由を除いて、議事録の閲覧を拒んではならないとされており、議事録の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならないとされています。
このように、総会の議事録についての取扱いは、区分所有法で規定されているため大切に保管されていることが多いのですが、一方で理事会の議事録は、総会の規定に準じるものであるにもかかわらず、作成されていない・保管されていないなど、不足していることが多々あります。

 

◆総会議案書

議事録と同じく重要書類の一つです。
多くの管理組合で毎年1回定期総会(通常総会)を開催されていると思います。
総会は、管理組合の「意思決定機関」とされております。
分譲マンションには、区分所有法やマンション管理適正化法(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)などの決まりやルールはありますが、マンション独自のルールを決めることが可能であるため、どういった内容が過去に協議されていたのかがわかることから、遡って確認することができる重要な書類となります。

◆鍵(共用部分)

共用部分は専有部分と違い多くの鍵が存在します。
上述した重要書類や個人情報の入った書類などを保管している管理員室や集会室、危険なエリアへの侵入を防ぐため、屋上へ通じる箇所や各種設備へ通じる箇所にも鍵が多数あります。築年数・規模・附属の設備によって変動は生じますが、引継ぎ時には在庫本数の確認と実際に使用可能か、鍵合わせの確認も必要です。

◆管球類

こちらも共用部分には多くの管球類が存在します。
エントランス・廊下・駐車場等に必要な照明の管球類が切れたままの状態では、不安になると思います。防犯上においても、防犯上においても、周囲の状況が分かりにくくなることから危険な状況に陥る可能性も考えられます。早急に交換等の対応をしなければなりませんが、その際、すぐ交換できるように一定数の在庫を保管しておくことが必要です。引継ぎ時には、その在庫と発注した数量に誤差がないかを確認いたします。

◆備品

備品については管理組合の資産となるモノすべてです。
組合運営を行う上で建物の維持・管理に必要な清掃用具、総会や理事会が開催される集会室等で使用する長机・パイプ椅子・ホワイトボード等が代表例です。これらは、管理会社が持参したモノと管理組合のモノがあり、明確に分別管理を行う必要があります。

重要書類が不足していた場合は

【管理会社への罰則】
管理会社へ管理を委託している場合、管理委託契約の事務管理業務において、図書等の保管等に関しては「設計図書、管理規約、総会議事録、総会議案書等を、管理組合の事務所または管理組合の指定する場所で保管する」と記載されていることが多いと思います。
もし、それらの義務を怠った際には、管理会社の契約不履行に該当することも考えられます。義務の履行を怠った場合は、相当の期間を定めてその履行を催告し、相手方が当該期間内に、その義務を履行しないときは、管理委託契約を解除することもできます。また、相手方に対し、損害賠償を請求することもできます。(マンション標準管理委託契約書 第18条)

【管理組合への罰則】
規約や総会議事録を保管しなかった場合、規約や総会議事録の閲覧を拒否した場合、総会議事録を作成しなかった場合や虚偽の記載をした場合等は、管理者(理事長)、総会の議長等に対し、過料(20万円)が科せられることになっています。(区分所有法 第71条)

まとめ

今回ご紹介した管理会社変更時の重要書類については、ほんの一部となります。
議事録については、管理者に対して罰則規定もあるので、管理会社とともにきちんと保管されているかを都度確認することで紛失のリスクは軽減されると思われます。
当社では、管理物件の過去の議事録・議案書について、お預かりできる範囲ですべてデータ化し、担当拠店及び自社運営のあなぶきコールセンターでも閲覧できるように共有しております。
あなぶきコールセンターでも閲覧できることにより、時間外でもお客様からのお問い合わせに対してワンストップで完結が可能です。
冒頭申し上げましたように、小さな事を積み重ねることの重要さを理解していただき、書類・鍵・備品・管球等の管理組合の資産を毎月確認してみてはいかがでしょうか。

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三河謙介

あなぶきハウジングサービス 分譲開発グループ
三河 謙介(みかわ けんすけ)
大阪府出身。
2018年入社。
前職では、賃貸仲介の営業を経験し、現在は、分譲マンションの管理会社変更をお手伝いする営業を行っております。
主に、近畿・東海エリアで当社のサービス、"しあわせ『感』理”の啓蒙活動を行っております。
当エリアで認知度を上げ、一人でも多くの方に当社のサービスをご体感いただきたいと思っております。
保有資格:管理業務主任者 宅地建物取引士
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