マンション管理組合|月次収支報告書のチェックポイント

久米 則子

 

こんにちは、あなぶきハウジングサービスでマンション管理組合会計を担当しております久米です。
今回のブログでは、月次収支報告書をはじめて受け取る方に見ていただきたい「予算」についてご紹介します。
みなさんが受け取る月次収支報告書には予算は計上されていますか?何のために予算をとるのでしょうか?

 

何のために予算をとるのか

マンション管理組合は、一般的な企業とは違って、「儲けること」を目的としていません。毎月の収入の中で、やりくりしていくことが求められます。また、将来の維持修繕に向けて資金を貯蓄していくことも必要なので、現在の管理組合の収入支出の割合がどのくらいなのかを把握しておくことが大切です。月次収支報告書の予算の欄や、予算に対しての実行率をチェックすると、現時点での収支の状況がすぐにわかります。

実際の月次収支報告書を見てみよう

あなぶきハウジングサービスが、毎月作成している『月次収支報告書』を実際に見てみましょう。
まずは予算が計上されているものです。
左から、総会で決まった当期の予算、当月の実績、当期の累計、予算実行率が表示されています。
管理費収入や管理委託費など、金額変更が総会で決定されない限り金額が変わらないものの、予算実行率は「66.7%」と同じ額になっています。毎月支出の金額が変わる消耗品費や配付書類印刷料(コピー代)も予算内に収まっています。租税公課だけ予算を超えてしまっているので、来期の予算を立てるときに注意が必要です。

 

 

 

 

こちらは先ほどと同じ管理組合の月次収支報告書ですが、予算がとられていないものです。
予算に対しての実行率もわかりませんし、どの勘定科目で支出すればよいかもわかりません。
ただし、総会で予算が承認されるまでの間は予算計上はされません。

 

 

予算の立て方

最後に“予算の立て方”を簡単にご紹介します。
「収入の部」の毎月の管理費収入は金額が変更されない限り毎月同じ額なので、「1ヶ月の額×12ヶ月分」を計上します。
共用駐車場収入は契約の人数によって変動するので、「予算作成時点の1ヶ月の金額×12ヵ月分」を計上します。

「支出の部」の管理委託料も毎月定額なので「1ヶ月の額×12ヶ月分」を計上します。
機械式駐車場保守料やオートドア保守点検料は1年間の点検回数が決められていることが多いので、
「1回の点検額×点検回数」の金額を計上します。
電気料や水道料や消耗品費などは、前回度の実績を見て、それより少し多く予算を計上します。

まとめ

いかがでしたか?
月次収支報告書の予算をチェックすることで、マンション管理組合の収支状況を確認することができ、今後考えるべき問題点も見えてくると思います。
月次収支報告書で確認すべきポイントはたくさんありますが、「予算」もそのうちの一つに入れてくださいね。

 

参考記事です。こちらもご覧ください!
マンション管理組合会計のポイント⑩|予算の重要性

マンション管理組合会計のポイント⑪|予算の作り方

 

 

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久米 則子

あなぶきハウジングサービス マンション会計課:久米 則子(くめ のりこ)
新卒で入社してから経理一筋。ホテル業の経理、マンション販売の経理、マンション管理業の企業会計とさまざまな業種の経理業務に携わってきました。現在はマンション管理組合の会計業務に従事し、スピードと正確性を重視し、忙しい時こそ笑顔で!をモットーに仕事に取り組んでいます。管理業務主任者を取得し、資格を活かした会計業務のお役立ち情報をお届けしたいと思います。
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