理事長の選任が困難なマンションで第三者管理方式を導入する際のポイント②

松井 久弥 松井 久弥

こんにちは。あなぶきセザールサポートの松井です。

今回は、前回に引き続きマンションの管理組合役員を区分所有者以外の第三者がおこなう「第三者管理方式」についてご紹介します。

6月2日A[1]

目次

  • 第三者管理方式のメリットとデメリット
  • 手続き① 理事会での承認
  • 手続き② 総会での決議
  • 手続き③ 運用開始
  • まとめ

第三者管理方式のメリット・デメリット

メリット

◆ 専門的な知識を持った者が役員に入ることにより、課題の解決に向けた対応立案やスピードアップが期待できる

◆ 区分所有者の負担軽減

◆ 役員の変更(輪番制)による管理組合活動レベルの不安定化を解消できる

◆ 意思決定のスピードアップ

デメリット

◆ 区分所有者の意見が反映される仕組みが無いと、合意形成が形骸化する恐れがある

◆ 区分所有者による適切な監督が必要となる

◆ 利益相反取引の防止対策を講じる必要がある(例:外部専門家が自社で工事を受注して利益を得るようなケース)

◆ 費用が発生するケースがある(有償で外部専門家に委託する)

 

手続き① 理事会での承認

まず最初に、自分のマンションにおいて役員を第三者に委託する必要性があるかどうか、十分に検討することが必要です。役員のなり手不足解消や、管理組合の問題解決のために、他の手段よりも第三者管理方式が有効であるかどうか、比較検討しながら進めていきます。

その上で、第三者管理方式を進めていくこととなった場合には、次のような点を決めていきます。

◆ 誰に委託するのか(マンション管理会社に管理委託している場合は、最初の相談相手に成り得るでしょう)

◆ どのようなパターンにするか(①理事・監事外部専門家型又は理事長外部専門家型、②外部管理者理事会監督型、③外部管理者総会監督型)

詳細は、https://anabuki-m.jp/media-011/information/3889/ 参照

◆ 区分所有者による適切な監督をおこなうための具体的な方法

◆ 予算(有償で委託する場合の費用見積りを取得し、予算化する)

◆ 管理規約の改定(条文案の作成)

◆ スケジュール(総会開催日、事前の説明会日程、第三者委託の開始日等)

 

手続き② 総会での承認

第三者管理方式に変更するための総会決議は、通常は管理規約の改定が必要となるため、特別決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議)となります。また、総会の出席者が少ないマンションであることが予想されるため、総会の議案書には、検討に至った経緯や委託先・監視方法・費用等について詳細を記載します。特に、管理者(理事長)を外部の第三者に委託するケースでは、透明性をもった運営ができるよう、予め一定のルールを設けておくことが望ましいでしょう。

透明性を確保するためのルール例

◆ 工事の発注について、発注先・金額・内容に関する裁量や相見積りを取る場合のルール・承認方法等を予め定めておく

◆ 理事会で決議しなければならない事項を明確に定めておく

 

手続き③ 運用開始

総会決議の後に、正式に外部の専門家による第三者管理方式をスタートします。開始後は、利益相反取引の防止や業務執行のチェック体制の充実を意識して、透明性をもった管理組合運営ができるように心がけます。具体的には、毎月、収支報告書だけでなく管理運営状況報告書を提出させて、どのような意思決定や発注がおこなわれたか区分所有者に公開する等の手立てが考えられます。

 

まとめ

第三者管理方式のポイントは透明性を持った運営なのですが、それ以上に必要なこととして、委託する外部専門家との信頼関係が挙げられます。居住資産価値の最大化をはかるためのパートナーとして、お互いに信頼関係を持つことできるようなコミュニケーションが、第三者管理方式を導入して成果を得るための第一歩なのだと思います。

 

The following two tabs change content below.
松井 久弥

松井 久弥

あなぶきハウジングサービス:松井 久弥(まつい ひさや)
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

  • facebook
  • feedly
  • rss
backtotop