管理組合が持つべき印鑑の種類は?│印鑑の使い分けのすすめ

田中一直 田中一直

先日、管理組合の印鑑の運用と管理方法について話す機会があり、その際に話題となりました管理組合印鑑に関しての問題点について、他のマンション管理組合においても共有すべき問題であると感じましたのでご紹介させていただきます。

目次

  • 管理組合の印鑑を何種類持っていますか
  • 銀行届出印のリスク
  • まとめ

 

管理組合の印鑑を何種類持っていますか

マンション管理組合には、以下のような業務に必要となるため、印鑑(管理組合印)を所有して運用していると思います。

① 預金口座からの出金等
② 対外的な契約書や申込書等(保守契約、工事契約等)
③ 区分所有者との契約書(駐車場契約書等)
④ 請求書・領収書(管理費等請求書、保険金請求書等)
⑤ 車庫証明書

ところで、皆さんの管理組合では、何種類の印鑑をお持ちでしょうか?

1種類だけ所有している管理組合もあれば、数種類を所有してる管理組合もあるのではないでしょうか。

管理組合で所有する印鑑については、法令等(区分所有法等)やマンション標準管理規約に明確な規定はありません。
このようなこともあり、多くの管理組合では、管理組合の預金口座を開設するために必要な銀行届出印のみを作成し、この印鑑を管理組合の総合的な印鑑(理事長印)として運用している管理組合が多いと感じています。
銀行口座の種別(収納口座・保管口座)によって、銀行届出印を別に作成して運用していることはあると思いますが、いずれにしても銀行届出印を、その他業務に使用していることが多いのではないでしょうか。
※収納口座とは、管理費等を収納して、通常の維持管理に必要な費用を支出(出金)する口座
※保管口座とは、特別な場合以外には支出(出金)せず、余剰資金や積立金を貯めておく口座(定期預金などの場合もあり)

銀行届出印のリスク

銀行届出印を管理組合印として運用している管理組合においては、上記①~⑤のすべての業務で同じ印鑑を使用していることになります。皆さんのご家庭に置換えて考えてみますと、上記と同じような印鑑の使い方ではなく、銀行届出印は、他の印鑑とは違い、特に重要性の高いものと意識しているため、銀行用の印鑑(銀行印)とその他用の印鑑(認印)は、分けて使っていることが一般的だと思います。

管理組合においても、会社や家庭と同じで、預金口座からの出金は非常に重要な業務であるため、他の業務で使用する印鑑とは別の印鑑を使用することが必要だと感じています。
銀行届出印は、偽造されてしまうと、最悪の場合、管理組合口座から不正に預金が出金されることも考えられるため、その印影が多くの人の目にさらされることは、このリスクが高まっていることになります。
特に、昨今のデジタル技術の進歩により、印影から印鑑を偽造されるリスクは以前より高まっていると考えられます。
金融機関においても、銀行届出印の偽造リスクを考慮して、預金通帳への銀行届出印の押印を廃止としているのが現状だと思います。

まとめ

このように、これまでは、あまりクローズアップされませんでしたが、銀行届出印の使用については、その使用方法を見直す必要があると感じましたので、同じ状況で管理組合印を運用をしている管理組合におかれましては、運用方法の変更をご検討いただければと思います。
具体的な対策としては、銀行届出印と認印の2種類を所有し、銀行届出印は銀行との取引関連にのみ使用し、その他の押印はすべて認印を使用する運用方法への変更をおすすめいたします。
なお、管理組合印鑑の運用方法等の変更は、一般的には総会決議が必要だと思いますので、まずは理事会等で運用方法の変更についてご検討いただければと思います。

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田中一直

田中一直

あなぶきハウジングサービス 田中 一直(たなか かずなお)
香川県出身。あなぶきグループに平成6年に入社。主に新築マンションの販売、中古マンション・戸建などの仲介業務を経て、その後、マンション管理業務に約20年従事しています。マンション管理組合の運営補助だけでなく、お客さまのマンション生活が安心で快適であるため、常にプラスアルファの提案活動を心がけています。現在は福岡で勤務。
資格:マンション管理士・マンション維持修繕技術者
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