(本エピローグ内容はフィクションであり、本ブログを閲覧してくださっている方へわかりやすく説明するための架空の登場人物の皆さんによる物語です。)
具志堅 進(本、ブログ主人公)とその父親は浦添市の貸し会議室を訪れていた。
ビルの4階、5階に様々な会議室があるようで中規模の範囲で、20〜30人くらいは参加できそうな空間である。
不動産投資セミナーに参加してみた結果、不動産投資家の集まりに招待してもらえたので、本日の勉強会をとても楽しみにしていた。
先日ご招待いただいた不動産大家の会に所属している、比嘉さん親子が会場プロジェクター側にてPC作業をしている姿が確認できた。
「比嘉さん、おはようございます。本日は勉強会にお招きいただきありがとうございます。
民泊管理会社がテーマと仰っていたので自分たちなりにも調べてみたのですがよくわかりませんでした。
だからこそ、本日の勉強会では皆様の知識や知恵をお借りできればと思います。よろしくお願い申します。」
「具志堅さん、こちらこそ貴重なお時間割いていただき感謝いたします。
主に意見交換をメインに進めていきますので、前回のセミナー同様どんどん発言して盛り上げてもらえると助かります。」
定刻通りに勉強会はスタートした。
参加されている方は全員で8名、どの方も気品の良さが滲み出ていると進は早速勉強する姿勢になれた。
「では、みなさん本日の進行も私(比嘉)の方で進めさせていただきます。また、特別な参加者として具志堅さん親子に参加していただきます。
活発な議論の場になり、有意義な勉強会にしていきましょう。」
穏やかな口調ではあるが自信のみなぎった語尾に会場の空気が少し変わった。
「本日のテーマは自分に合った管理会社の選び方です。
こちらの勉強会には民泊物件を所有する方もアパートを数棟所有する方と様々です。また、今後民泊物件を不動産投資として購入検討されている方もいらっしゃるでしょう。
そこで切っても切り離せない管理会社について皆さんのご意見・体験談などを集約して一つの議事録を作ることが目的です。
決して大城さんのように特定の管理会社を宣伝する会ではありませんので、その点はご理解いただければと思います。
この会場に集まった方と2時間議論した軌跡を残していくことに意義があると思います。」
「皆さま、おはようございます。」
中央のテーブルに座っている女性が、全員の顔が見える位置に移動して話し始めた。
「比嘉さんからも事前にお話しがありましたが、本日私の会社やサービス内容の話は参考までに議論の題材にさせていただけますと幸いです。
昨年様々な方のご縁があり、民泊の管理会社を経営させていただいておりますので業界で働く一人として体験談など共有させていただきますね。」
再度、比嘉さんにマイク主導権が移り勉強会がスタートした。
2時間にも及ぶ勉強会の前半の話をまとめると以下のようだ。
よくわからない!民泊管理会社とは何か?
以前確認したように、現在は民泊物件のほとんどが家主不在民泊のようだ。
現地管理人はいなくて、遠隔地にてチェックイン対応の可能である。
2015年から始まり日本全国でベンチャー起業家たちと共に
「お部屋を特定の期間に借りたいと考える世界中の旅行客等」を
「お部屋を貸したいと望む不動産保有者」に
つなぎ合わせるサービス内容が爆発的に広まってきた。
少人数精鋭の業者から大手○○業者の新規事業としての規模まで様々である。
これだけは手元のノートに書き残したい!という2つのキーワード
建物管理業と民泊管理業の違いを知ろう
去年ベンチャー起業家として事業をスタートさせた凄腕女性経営者の大城さん曰く
「不動産を民泊管理する上で、最も勘違いされておりますのは建物管理業社だと認識されている点にあります。
民泊管理会社は委託として業務を請け負い、物件探しのお手伝い、家具家電の調達、旅館業法など法令上の手続き補助、カメラマン撮影補助、WEBサイトへの掲載などを通じて世界中のゲスト様等が快適な滞在になるようにサポートする会社です。」
「その管理期間中に排水管水回りの相談やガスや消防点検など建物に関する要望や依頼がとても多くあります。
もちろんそれだけ、ニーズのある管理内容だと思いますがマンション管理士(国家資格)を保有する私の立場から建物管理業と民泊管理業は別だということを皆さんに知っていただきたいです」
確かに父の住む分譲マンションの総会議事録を見たときに思ったことがある。
管理会社はあなぶきハウジングサービスでも、警備業者はもちろん別会社であり、消防点検業者もグループ会社とは言っていたが同じ会社の業務ではないことを知り勉強になった記憶がある。
私のような素人からすると父の住むマンションも、民泊物件も1から100まで全て管理してくれれば楽なのにな。。。
ちょうどその時
「だからと言って、特定の業者に全てを委託するのであれば相当のリスクが纏うことも知っていただきたいのです。
世の中のサービスというのは手数料という売上で相互間の利があり成り立っているものだと存じております。私が伝えたいのは手数料を取ること自体が悪いわけではありません。
適正なサービスに適正な委託料を支払っているのか見る目が大事だと日々心がけております。」
建物の管理をする業者はその道のプロであり、
民泊を管理する業者が建物の勉強するには膨大な時間がかかるという。
逆に民泊の管理をする業者はその道のプロであり、建物管理業者では知り得ない情報をたくさん持っているという。
うん、そりゃそうだろう。と納得する進。
PC1台で仕事は成り立つ!?管理内容の違いを知ろう
進行を続ける比嘉さんから以下の質問があった。
「あなたの委託する管理会社、今回は民泊管理会社を想定してください。
社員数は何名ですか?
24時間電話対応や多言語サービスを宣伝する会社が多いと思いますが、社内で対応しているのか再委託しているのか知ってますか?
緊急駆けつけはできる体制は本当に整っていますか?
繁忙期だから駆けつけられない仕組みなどなっているか調べたことありますか?」
大切なのは何を委託していて、事業者として何を責任範囲で抱えているか分類分けすることです。
民泊管理業社は大きく分類して2つの種類がある。
①物件の所在する土地に支店を設置する業社
②本社機能のみで管理する業社
①物件の所在する土地に支店を設置する業社
:地域での管理範囲を特化するタイプ
担当社員数は少ない傾向にあるが、小回りが効いて、すぐに現地にも駆けつけられる。自社で家具家電の調達から清掃まで請け負え自社対応も可能なことがある。一方24時間対応を社員やアルバイトで請け負うため人の入れ替わりが激しく情報共有がうまく伝わらない。
②本社機能のみで管理する業社
:遠隔での管理するため地元業社との繋がりを特化するタイプ
同じように担当社員数は少ない傾向にあるが、代わりに対応する社員数が確保されていたりする。現地にかけつけたり、清掃を手配したりは地元特定業社との再委託業務締結などを前提とする。電話でのやり取りよりも記録に残る情報共有媒体がメインとなる。
大家の会の比嘉さんは続ける
「管理業はPC1台で仕事は成り立つと思っている方が多すぎる。実際に自宅やオフィスでPCのみ完結する仕事もあると思います。ただ、私の知る管理会社は何度も現地に足を運び、民泊業が成り立つために様々な業者との打ち合わせや現地調査などPCだけで仕事が成り立つとは思えない。」
物件の所在する土地に支店を設置する業社も本社機能のみで管理する業社にも
にはそれぞれの良さや欠点があり、勉強会に集まる方々の体験談などを聞くうちに
どちらが良いのではなく、ベンチャー経営者の大城さんが言うように「適正なサービスに適正な委託料を支払っているのか見る目」があれば
任せたいことと、事業者自身で責任を持つことは明確に分けないといけないことがわかった。
勉強会に参加するまでは民泊物件の管理の依頼はする必要ないと進は思っていた。
なぜなら、進の妻は専業主婦であり、娘たちが学校に行っている間暇そうだと勝手に思い込んでいたので、
宿泊者とのメッセージのやりとりなど妻のアルバイトを提案しようと考えていたのだ。
(下手に妻が民泊管理させてしまったら離婚危機に発展する喧嘩したかもしれないな。。。)
ちょうど1時間経ったところで休憩のタイミングが来た。
後半は実際の管理会社の選び方と、業者との付き合い方がテーマのようだ。(次回へ続く!!)
まとめ
- (フィクション)大家の会の勉強会にて民泊管理業務を知り、夫婦喧嘩になる前に改心した。
- その道のプロに相談しよう。建物管理業と民泊管理業は別だということこと。
- 管理業がPC1台で仕事は成り立つわけではないこと知り、委託する上で任せたいことと、事業者自身で責任を持つことは明確に分けないといけないこと。
(さ~て、来月の進さんは?)
⇨進、父、勉強会の後半も大いに盛り上がる
⇨進、比嘉さんのベンチャー投資家としての側面を垣間見る
⇨進、管理会社の方とデザイナー物件を見学のアポイントをきる
の3本をテーマにお送りします。

瀬長雄作
瀬長 雄作(せなが ゆうさく)
沖縄県出身。2020年グループ入り。
2015年10月に沖縄県下初となる民泊管理専門業者「株式会社One Note」を創業しました。
沖縄県における民泊事業の第一人者として普及に努め、県内外の不動産オーナー様の有効活用提案などにも数多く携わり、物件管理実績として累計400件を超えております。
2020年4月に株式譲渡にてあなぶきグループ入りし、現在は民泊運用意外にも賃貸・マンスリー住宅や別荘管理など幅広い不動産の有効活用提案に注力しています。
保有資格:宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
