まさに"命がけ"!! ロープ高所作業について語ってみた

神中一記

こんにちは。あなぶきクリーンサービスの神中です。

今回は『掃除屋あるある』の記事に何度か出てきていた【ロープ高所作業】について書いてみたいと思います。

↓『掃除屋あるある』の記事はこちら↓
掃除のプロが語る、清掃業界のお仕事【掃除屋あるある】
【第2弾】掃除のプロが語る、清掃業界のお仕事【掃除屋あるある】~30年後の清掃業界は…~

『ロープ高所作業でこんなことがありました』などの事例については『あるある記事』を見てもらえたらと思いますが、今回の記事ではロープ高所作業の内面を少しご紹介したいと思います。

『そもそもロープ高所作業って何?』や、『法律ってあるの?』などのよく聞かれる疑問や使っている器具を一部ですが簡単に解説してみましたので、ご興味のある方は最後までお付き合いください。

『ロープ高所作業』とは?

私もガラスクリーニングの為に長年従事していた『ロープ高所作業』ですが、ガラスクリーニング以外にも用いられる作業で、労働安全衛生規則には『高さ2m以上の場所で作業床(足場等)を設けることが困難な場合に、昇降器具(ロープに身体を保持する器具を取り付けたもので、作業者が自らの操作により昇降する)を用いて行う作業のこと』と明記されています。

高速道路、架橋などの点検作業や崖などの傾斜のある場所(のり面)での作業にも用いられていますね。

法律ってあるの?

2018年1月1日に厚生労働省にて規定が改訂されたことにより『ロープ高所作業』についての法律が施行されました。
これにより2021年現在、ロープ高所作業に関する法律はあります

私が従事し始めた2007年当時には法律上『ロープ高所作業』というものは存在しておらず、あくまで『仮足場の1種類』という存在でしたので『足場の規則さえ守っていればいい』という認識で作業が行われていました。

イメージしていただくと分かると思いますが、どう考えても『足場』ではないんですよね(笑)

しかしその為なのか墜落による【死亡事故】が多発していたことで『ロープ高所作業』のための明確な法律が作られ、様々な決まり事を守らなければならなくなりました。

その代表例として【従事者特別教育の実施義務】があります。

作業を行う従事者には『学科4時間、実技3時間の特別講習の受講』が義務付けられ、修了した人しか従事することはできなくなりました。

危険な作業ですから、当然ですね。絶対に『ちょっとやってみるか』で、やらないでください(笑)

また、これ以外にも機材に関するものや作業計画に関するものなどがあり、事故の発生件数は減少すると思われました。

が...

これらの決まり事ができたにも関わらず近年の『ロープ高所作業時の死亡事故』の発生件数は減少していません。様々な要因があると思いますが、従事者各人が命を守るための『安全』をもっと意識して作業する必要があるのかもしれませんね。

『命』を守るための器具

実際に現場で使っている代表的な器具をいくつかご紹介したいと思いますが、ここに載せている器具類はあくまで一例です。会社や作業員さんの好みなどによって違うものを使っていると思いますのでご了承ください。

ロープ(ザイル)


ナイロンやポリエステルなどの化学繊維を織り合わせることで軽量ながらも強度と柔軟性を持たせたロープになり、レスキューの現場や登山などのハードな場所でも使用されていることから、現在1番広く使われているロープですね。

太さは10mm前後のものが多く、カラーバリエーションも豊富なので好みに合わせた選び方ができます。
また、1mあたりの重さが約100gほどあり、100mで10kgほどの重さになります。

意外と軽いように思われますが、作業の際には作業用の【メインロープ】と緊急時用の【命綱(ライフライン)】の2本のロープを必ず使用しますので、100mクラスの建物になるとロープだけで約20kgの重さになるわけです。

真夏なんて運搬するだけでも一苦労ですよ(笑)

作業前には現場の高さに合わせた長さのロープを準備し、目立ったキズやほつれなどの有無を確認することが義務付けられていますので、使用頻度などを考慮した定期的な買い替えを行う必要があります。

安全帯(フルハーネス)


身体全体を覆うようにして着用するタイプの安全帯を【フルハーネス】と呼び、建築現場で足場の組み立て作業をする作業員さんも必ず着用している安全帯になります。

胸と背中と腰にD環(でぃーかん)と呼ばれる部分があり、あとに出てくる【下降器】や【墜落防止器具】と身体を繋げられるようになっていて、墜落時に吊られた際の衝撃を体全体に分散させられるようになっています。

実際に着用すると慣れるまで窮屈な感じはありますが、締め付けが緩すぎると衝撃を緩和させることが出来ませんので、しっかりと密着させる必要があります。

そして、1度装着してしまうと...トイレに行くのが困難になります(笑)


現場での着用例

下降器(ディッセンダー)


作業者自身が操作をして上から下降するための器具を【下降器】と呼び、様々なタイプのものがあります。

その1つがエイト環(えいとかん)と呼ばれる下降器です。

写真を見て分かるように数字の8の字を描いたもので、アルミやステンレスでできています。
私もやり始めから5年ほどはこの下降器を使っていましたが、ブレーキなどは無く操作に熟練度が必要なものになってきます。

エイト環とは別の下降器がこちらになりますが、黄色のレバーを下げることで下降することができます。

このレバーを離した状態と1番下まで引き下げた状態でロックが掛かるため誤操作が起きにくく、より安全に作業を行えるようになっています。その為、近年ではエイト環ではなくこちらのようなレバー操作式の下降器が主流となってきています。

墜落防止器具(フォールアレスター)


名前のとおり墜落を防止する『命を守るための最後の砦』になる器具です。

下降機と同様に器具の中にロープを通し、ハーネスと連結させて使用します。
下降機のようにレバーなどは無く、器具が作業者よりも高い位置に来るとロックが掛かるようになっています。
また、一定以上のスピードで下降した際もロックが掛かるような仕組みになっています。

作業の様子を動画で見てみましょう

あまり近くで見ることの出来ない作業風景を動画にしていますので良かったらご覧ください。

まとめ

かなりマニアック(笑)な内容になりましたが、いかかでしたか?

危険でハードな作業であるが故に若い世代の従事者は減ってきており、従事者の高齢化という話もよく聞くようになってきました。

農業と一緒で天候や季節に左右されるような現場もあり、苦労することも多いですが、車の運転と一緒でルールを守って作業をしていれば最悪の事態は避けられるのではないかと私は思っています。

『命を懸けなくてもいい高所作業の技術』ができて、1人も悲しい結果とならない未来になればいいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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神中一記

あなぶきクリーンサービス:神中 一記(かみなか かずき)

愛媛県出身。広島にて清掃管理業務を担当。
21歳で清掃の業界に入りマンション・アパート・戸建て・テナントビル・製造工場 etc...様々な建物の様々な ”汚れ” と向き合い、高所ロープ作業や樹木の剪定作業にいたるまで現場の最前線で磨いたスキルとキャリアには自信を持っております。
プライベートではわんぱく盛りの2児の父親として子育てに奮闘中。
根っからの職人気質の頑固でせっかちな若造が、『究極のハイスピード・ハイクオリティの探求』をモットーに日々精進しております。
掃除のプロとしての経験や実体験を交えながら皆様のお役に立てる情報を発信していけたらと思っております。
【保有資格】
ビルクリーニング技能士・電気工事士・消防設備士・消防設備点検資格者
高所ロープ作業技能修了・高所作業車技能修了 など
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