掃除のプロが教える床にワックスを塗る前に知っておきたいこと

神中一記

こんにちは。あなぶきクリーンサービスの神中です。

皆さんのお家の床にワックスは塗られていますか?

塗られているお家もあれば塗っていないお家もあると思いますが、今回は【床用ワックス】について書いてみようと思います。

しかし、「さぁ!塗るぞ!」と、言ってすぐ塗れるものでもありません。何も知らない状態で塗ってしまうと取り返しのつかない事態になってしまうことも...Σ(゚д゚lll)ガーン

『ワックスを塗る前に知っておきたいこと』と題し床用ワックスについて解説していきたいと思います。

床用ワックスとは...?

そもそも床用ワックスがなぜ床に塗られているのか知っていますか?

そのメインとなる目的は【床材の保護】になります。

家具などからの軽度な擦り傷などに対する【防傷効果】や、水の浸水や汚れの付着などに対する【防浸水・防汚効果】により床材を守ることがワックスの主な目的となります。

もちろん光沢により美観を得ることもワックスを塗る目的の一つではありますが、ワックスの種類によっては光沢の出ないものもあり、個人の好みによるところもありますので光沢に関しては『副産物』と捉える方がいいかもしれませんね。(あくまで私個人の感想です)

また、小さなお子さんやご高齢の方のいらっしゃるご家庭ではグリップ効果のあるワックスを塗ることで【滑り止め効果】を得ることもできます。

床用ワックスの種類

床用ワックスは大きく分けると4種類に分類することができます。ここではそれぞれの特徴を見ていきましょう。

樹脂ワックス

【メリット・強味】
ウレタン樹脂やアクリル樹脂を主成分とし、様々な材質のものに塗ることができるワックスです。
液体の状態から硬化することで耐久性と光沢を出して保護と美観の両方を得ることができるため、現在1番広く使われているワックスになります。ホームセンターなどで簡単に入手することができ、様々な種類のものが販売されています。
高耐久・高光沢を持ち味とする『高濃度樹脂ワックス』やフローリング専用や石材専用などの『〇〇専用樹脂ワックス』。また、上にも書いてある光沢の出ない『ツヤ無し樹脂ワックス』など用途や材質に応じて使い分けができるようになっています。

【デメリット・弱味】
白木などの『無垢材』には適していませんので絶対に塗らないでください。せっかくの自然な風合いが無くなり量産品のフローリングのような見た目になってしまいます。
また、塗ってしまうと剝がすことができなくなりますので注意しましょう。
樹脂ワックス自体は防浸水効果を持ってはいますが、実は水気を放置してしまうと【白化】と呼ばれる
ワックスがふやけたような状態になってしまい、耐久性が著しく低下してしまいます。脱衣場やキッチンなどの水気の多い場所では床に水を残さないように気を付けましょう

樹脂ワックスを見分けるポイント

色々ある樹脂ワックスの仲間たち

水性ワックス

【メリット・強味】
失敗をしても比較的簡単に剥がすことができるので初めての方でも塗ることができるワックスです。
ホームセンターなどで安価に手に入れることができるので低コストで導入することができます。

【デメリット・弱味】
ロウを主成分としており塗っただけでは光沢を得ることができません。
乾くととても滑りやすくなりますので小さなお子さんやご高齢の方のおられるご家庭での使用はおすすめしません。また、耐久性が低くすぐに剥がれてしまい、早いペースで塗り直さなければならないため業務用としてはほとんど使われなくなりました。
(10年以上掃除屋をやっていますが、私は使ったことがありません 笑)
樹脂ワックスと同様に無垢材への使用はしないで下さい。

水性ワックスを見分けるポイント

半樹脂ワックス

【メリット・強味】
樹脂ワックスと水性ワックス両方の特徴を持ったワックスになります。種類としては樹脂ワックスの仲間に分類され、上履きなどで歩行する土足禁止の場所でよく塗られるワックスです。
樹脂ワックスのように光沢を出し、水性ワックスのように剥がしやすく再塗装しやすいといった特徴があります。

【デメリット・弱味】
耐久性は水性ワックスよりは高く、樹脂ワックスほどはありませんので周期を決めて再塗装する必要があります。コスト面で少し割高なところがあり、多くは業務用として販売されていますので市販品としてはあまり出回っていないと思われます。

乳化性ワックス

白木などの無垢材専用のワックスになります。無垢材には必ずこのワックスを使いましょう
樹脂ではなくロウと溶剤が主成分となっており、素材の保護に特化していますので塗り重ねても光沢はあまり得られません。
無垢材の天敵である『水分』から素材を守るものですが、耐久性はあまりありませんので定期的に再塗装しましょう。

乳化性ワックスを見分けるポイント

ワックスを塗る=剥離作業

以前『掃除屋あるある』の中で少し触れている『剥離作業』について少しお話したいと思います。
床に塗ってある古いワックスをすべて剥がし、新たにワックスを塗り直すための作業を【剥離作業】と言い、樹脂ワックスの剥離作業となると専用の【剥離剤】が必要になります。そして、かなり大変な作業です(笑)
生活環境やワックスの種類によって様々ですが、一般的な樹脂ワックスで『半年~1年ほどでの上塗り、3年~5年ほどでの剥離作業をすることで保護能力と美観を保つことができる』とされており、床用ワックスの保護能力は永遠ではありません

剥離作業が必要な理由としては上塗りを繰り返すことでミルフィーユ状にゴミや汚れを挟み込んでしまい美観が悪くなっていくためと、厚みが出てくるとワックス自体が割れてしまうためです。また、年数の経ったワックスは紫外線などにより変色してしまいますので、より美観を損なってしまいます。樹脂ワックスに限らず床用ワックスを塗りたいと思っている方はいずれは剥離作業をしなくてはならないということを覚えておいてください。

まとめ

『ワックスを塗る前に知っておきたいこと』と題して床用ワックスについて書いてみましたがいかがでしたか?

今回書かせてもらった内容は床用ワックスの基本的な内容になりますが、ワックスについて深く知れば知るほど専門的な知識や技術が必要になるもので、私自身も勉強し続けている状態です(笑)

というのもワックスと床材との組み合わせは何万通りと存在し、プロであっても失敗することがあるからです。

皆さんがご自身で塗ってみようと思っている場合には床材自体との相性などもありますので『ワックスの塗れる床なのか』や『どの種類なら塗れるのか』というのを施工元の業者などに問い合わせをしてみる方がいいかもしれません

あなぶきクリーンサービスでもご相談いただくことはできますので、ご気軽にお問合せください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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神中一記

あなぶきクリーンサービス:神中 一記(かみなか かずき)

愛媛県出身。広島にて清掃管理業務を担当。
21歳で清掃の業界に入りマンション・アパート・戸建て・テナントビル・製造工場 etc...様々な建物の様々な ”汚れ” と向き合い、高所ロープ作業や樹木の剪定作業にいたるまで現場の最前線で磨いたスキルとキャリアには自信を持っております。
プライベートではわんぱく盛りの2児の父親として子育てに奮闘中。
根っからの職人気質の頑固でせっかちな若造が、『究極のハイスピード・ハイクオリティの探求』をモットーに日々精進しております。
掃除のプロとしての経験や実体験を交えながら皆様のお役に立てる情報を発信していけたらと思っております。
【保有資格】
ビルクリーニング技能士・電気工事士・消防設備士・消防設備点検資格者
高所ロープ作業技能修了・高所作業車技能修了 など
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