知っていると、ちょっと嬉しい (かも)! エレベーターに関する豆知識。①

あなぶきハウジンググループ公式

こんにちは。テクノ防災サービスの西部です。

日頃マンションや公共の施設で頻繁に利用するエレベーターですが、以外と知られていない機能や性能が備わっています。今回はそんなエレベーターに関する知識をお伝えいたします。

 

 

 

 

 

 

 

1.エレベータ内にある鏡は何の為?

最近のエレベーター内で正面に良く鏡を見掛けますが、皆さんは何の為にあるかご存じでしょうか?
容姿を整えたりチカン等の犯罪抑制の為と思われいる人が多いと思いますが、正解は『車椅子利用者の為』です。車椅子利用の方は正面を向いた状態でエレベーター内に入り込んだ際、狭いエレベーターの空間では上手く旋回して向きを変えることができません。その為目的の階に着床した際、エレベーターの扉が開いた確認と、後ろを確認しながら安全に降りられることを目的としています。
現在駅など公共の場においては、エレベーター内の鏡の設置は義務付けられていますが、マンションやオフィースビルでの設置は各自治体の条例に依りますので、皆様のマンションに設置されていない場合もあります。
しかしながら現在設置の無いエレベーターにおいても多くの場合後付けの鏡の設置は可能ですので、未設置の場合は各組合様内にて設置の検討をお勧めいたします。

 

2.エレベーター内にある鍵の掛かった謎の扉は何?

ほとんどのマンションのエレベーター内の奥の壁の下半分に鍵の掛かった扉が設置されています。その扉の中はどうなっているかご存じでしょうか?正解は、「小さな空間」となっています。そしてこの空間の正式名称は「エレベーター内トランクルーム」と言います。では何の為の空間でしょうか? 引っ越しの際扉を開けて大きな荷物を運搬可能とする利用方法もありますが、大きな目的は二つあります。
一つ目は『消防署の救急隊員がストレッチャー(寝台)を横にしたままエレベーター内に搬入可能とする為』です。ストレチャーの奥行寸法は200cm程度あります。通常マンションに設置されているエレベーターのかごの奥行は115cmもしくは152cm程度ですので、そのままの寸法ではストレッチャー(=患者さん)はエレベーターでは運べません。その為扉を開けて空間を確保したうえで、患者さんを横たえたままエレベーターで安全に運ぶことが可能となります。
二つ目は、『棺桶を横たえたままま運ぶ為』です。亡くなったご遺体を立てたり横たえたりを繰り返すことによるご遺体自体の損傷を防いだり、亡くなったご遺体とご遺族への精神的配慮が目的です。

「エレベーター内トランクルーム」の扉は、お子様がかくれんぼ等の遊びによる事故を防ぐ目的で、常時鍵が掛けられています。この扉の鍵は、管理人室や警備会社で管理されているのが一般的ですが、法改正により平成15年以降に設置された扉は、全国で統一規格の鍵を救急隊員さんが所持しており、万一の場合においても敏速な扉の開放が可能となっています。尚、統一された規格の鍵で開けることが可能なエレベーターには「E.M.T.R」の刻印が鍵穴に成されています。(※E.M.T.R=Emergency  medical Trunku Roomの略)

 

3.エレベーター扉の「遮煙性能」って何?

ある一定以上の建物(防火地域内にある延べ面積500㎡を超える建物など)に設置のエレベーターは、2002年6月の建築基準法施行令の改正によって、昇降路に『遮炎性能』および『遮煙性能』を有する防火設備で防火区画することが義務付けされました。この『遮煙性能』とは火災時における煙が、エレベーターのシャフト内を通して他の階へ回ってしまうのを防ぐ構造を言います。区画方法の例として、大臣認定等を受けた防火設備により以下のものが挙げられます。
①防火戸/防火防煙シャッター/スライド式防火防煙扉の設置
②遮煙性能を有する乗場戸+遮煙性能を有するスクリーンの設置
③(人が移動できる)空間+防火防煙シャッター・防火戸の設置
④遮煙性能を有する乗場戸+(人が移動できる)空間+遮煙性能を有するスクリーンの設置
⑤乗降ロビー+防火防煙シャッター・防火戸の設置
⑥遮煙性能を有する乗場戸+乗降ロビー+遮煙性能を有するスクリーンの設置

私どもが日頃実施しております建築基準法第12条1項の規定による定期調査において、建物の「防火区画」及び「防火設備」における調査項目にこのエレベーターの昇降路の「遮煙性能の有無」は該当しており、性能を有していない場合は、昇降機の昇降路とその他の部分において適正な遮煙性能の改善保持を呼びかけさせて頂いております。

 

 

4.「開延長ボタン」が無いエレベーターで開延長させる方法

最近のエレベーターには「開延長ボタン」が設置されており、引っ越し時等の大きい荷物を小分けして運び込む際に便利な機能ですが、「開延長ボタン」が設置されていない場合のエレベーターにおいても、扉を開いた状態を長く維持させ続けることができるのをご存じでしょうか?
エレベーターのメーカーや機種により異なりますが、フジテック製の主なエレベーター等に適用する一つの機能は、ボタン操作時において「停止中の階数ボタン」+「扉開ボタン」を同時に長押しする方法です。例えば5階でしばらくの間エレベーター内の荷物を運び出したい場合、「5階ボタン」「扉開ボタン」を同時に長押しします。「扉開ボタン」が点灯状態となり、同時に「扉閉ボタン」が点滅状態となれば正常に操作された確認表示となります。作業が終わり開延長状態を解除する場合は、「扉閉ボタン」を押して扉を閉めて下さい。尚、この開延長状態時において、他の階でエレベーターを待っている方が居る可能性もありますので、長時間の開延長には配慮が必要となります。

 

 

5.「車椅子利用者用ボタン」を車椅子を利用しない人が押すと・・・・

皆さんはエレベーター内における「前面扉横の操作ボタン」の他に「車椅子利用者用ボタン」が側面に設置されているのはご存じでしょうが、動作に違いがあるのはご存じでしょうか? 意外と知られておらず、区別無く押してしまう方が多いようですが、大きな違いがあります。具体的には、「車椅子利用者用ボタン」「扉の開放時間」が長く設定されています。一般に車椅子利用者は利用しない方に比べ、エレベーターから降りるのに時間が掛かります。その為、どのメーカーのエレベーターに置いても、「車椅子利用者用ボタン」を押した場合においては、「前面扉横の操作ボタン」に比べ一定時間長く扉が開いた状態が保たれます。エレベーターによっては時折、「車椅子利用者用ボタン」付近に『車椅子利用者以外のボタン使用禁止』と表示されたプレートを見かけますが、これは「車椅子利用者用ボタン」を利用しない方が押すことにより、エレベーターの稼働効率が下がり、他の利用者が待ち時間の長さを不快に思うことを抑制する為と思われます。

 

6.エレベーターの扉の窓は何の為にあるの?

東京にあるスカイツリーや高層ビルのエレベーターを利用された方はご存じでしょうが、利用者がエレベーターからの眺望を楽しむ為に、エレベーター本体に窓が設置されている場合があります。しかしながら、良い眺望も望めないマンションのエレベーター(例外もありますが)に窓が設置されている場合がありますが、何の為かご存じでしょうか?
正解は、『防犯』の為です。商業ビルと違って、マンションのエレベーターは老人や子供、女性が一人で利用されることが頻繁にあるため、外からエレベーター内の様子が見えることは防犯対策の大きな役割につながっています。エレベーターに窓の無いマンションも多数ありますが近年防犯カメラを設置して、マンションの防犯性の向上に努めている組合様も多く見受けられます。

 

如何でしたでしょうか? エレベーターに関する情報で、皆様が既に知っている知識も多くあったかも知れませんが、今回のブログで新しく知っていただいた情報があれば幸いです。特に『5.「車椅子利用者用ボタン」を車椅子を利用しない人が押すと・・・』において、今日から押すボタンを意識すれば、これからの人生の待ち時間をほんの少し短縮できて、しかも他にエレベーターを待っている方に迷惑が掛からないことも理解していただけたのではないかと思います。また、今回ご紹介した事例以外にもエレベーターの便利な機能や知っていると、ちょっとうれしい知識もまだまだ有りますので、次回も引き続きご紹介させていただきます。

 

 

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